馬淵澄夫レポート

「見せかけの金融緩和」にNOを! 金融政策当局に毅然と立ち向かう日銀総裁でなければデフレは脱却できない!

2013年02月12日(火) 馬淵 澄夫
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 昨年の11月末、衆議院が解散して以降、株価が上昇し、円安方向に進んでいる。この要因として、「金融政策に対する期待が働いている」ことについては、多言を要しないであろう。しかし、ここで一つ疑問が生じる。なぜ、世界金融危機以降、民主党政権下で日本銀行が行ってきた金融政策では、円高が進み、また、株安が進んだのか、というものである。

資産買入等の基金の創設と拡充

 民主党政権下、世界金融危機の後、日本銀行は2010年10月に包括的な金融緩和政策の実施を決定し、その中の主要な柱として「資産買入等の基金」が創設された。

 創設当初は、基金の規模を35兆円としていたが、デフレが継続し、日本経済の低迷が続く中で、日本銀行は昨年12月まで基金を逐次増額し2013年12月末までに101兆円の規模になる(66兆円の増額)よう資産買入額の増額が決定された。

 2010年10月から2012年12月までの間、「資産買入等の基金」の規模は66兆円増額されたが、買入資産の増額分のほとんどは、長期国債と国庫短期証券となる。

 長期国債は、2010年10月の段階で1.5兆円であったが、昨年12月の段階で44兆円まで引き上げられ、また国庫短期証券も2兆円から24.5兆円まで引き上げられた。合計で65兆円の増額である。2001年3月から2006年3月まで行われた量的緩和政策では、当座預金残高目標が最後には30兆円から35兆円となったが、この数字と比べても、資産買入等の基金の「66兆円の増額」は、倍近い規模となる。

 これは大胆な金融緩和に見えるが、実は、株式市場や為替に効果が現れにくいよう、いくつかの仕掛けが仕組まれていた。

 まず、長期国債については、残存期間が1年から2年のもの(2012年4月から残存期間が1年から3年)を買い入れるとしている。長期国債と言いながら実際には、国庫短期証券に近いものを買っていることになる。世界金融危機以降に量的緩和政策を行った米国や英国に比べても、残存期間の短さは顕著である。

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