日銀総裁人事ではいかに参院多数派を形成するか、そして日中関係をいかに好転させるか、安倍政権の喫緊の課題はこの2点である!
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 先週の国会で、補正予算案の審議が始まった。株高・円安の流れを背景に、安倍首相や閣僚たちの強気の発言が続いている。大胆な金融緩和政策が功を奏したようであるが、背景にはアメリカの景気回復があるし、ヨーロッパの経済状況が一段落したこともある。そしてまた、金融政策のみで経済再生ができるわけではないので、財政出動、経済成長戦略と合わせて「三本の矢」という政策パッケージなのであろう。補正予算もその政策を担保するものである。

 ところで、白川日銀総裁は、任期満了を待たずに、3月19日で辞任することを決めた。副総裁の任期切れと日程を合わせるためである。日銀は、1月22日の政府との共同声明で決めた2%という物価目標を、本当に実現する気があるのだろうか。政策手段の動員が中途半端なような感じがする。早く新体制に移行したほうがよいが、その前提として、これまでの政策の失敗を真摯に反省する必要がある。

 私は、山本幸三(自民党)、渡辺喜美(みんなの党)両議員とともに、2001年から日銀に金融政策の変更を求めてきたが、今後も同様な活動を継続する予定である。8日には、小沢鋭仁(日本維新の会)議員も呼びかけ人に加えて、「日銀法改正を目指す超党派連絡会」を開催した。

 これまでの日銀法は、インフレとの戦いを主眼としており、デフレと戦うことを念頭に置いていなかった。雇用の確保ということも、目標として明記すべきである。そして、日銀が目標達成できないときの責任の取り方についても言及すべきである。

まずは日銀問題、次に日中関係の健全化が課題

 白川総裁が前倒しで辞任することになった以上、総裁人事を急がなければならない。細かい条件はつけないので、仕事ができる新総裁を選んで欲しいものである。国会同意人事については、参議院の多数派をいかにして形成するかが安倍政権の課題である。みんなの党、日本維新の会、新党改革が同意すれば、国会で承認される。安倍首相には、是非とも、この三党の考え方を念頭に置いてほしいものである。

 20日には、総理が訪米する予定であるが、与党は、それまでに補正予算を成立させることを目論んでいる。しかし、民主党は態度を次第に硬化させつつある。民主党も総選挙の敗戦から立ち直って、野党らしさを追求しはじめたということか。

 日銀と並んで厄介なのが、中国である。重度の大気汚染は、国境を越えて日本にまで影響を及ぼしている。私の故郷の福岡では、外出を控えるくらいに深刻な事態になっているという。自分さえよければよいという利己主義と金儲け第一主義の今の中国では、環境問題などに配慮する雰囲気などないのであろう。

 社会全体、国家全体のことを考える視点が欠けている。党の幹部からして不正な蓄財に励んでいるし、公務員の腐敗は凄まじいものがある。胡錦濤政権下、確かに経済成長は遂げたが、その負の側面としての格差や腐敗を是正することには失敗した。

 3月上旬には全人代が開かれ、首相以下指導部が交代して、習近平体制が固まる。しかし、日中間の緊張が緩和する兆しはない。先般、公明党の山口代表が習近平総書記と会談したが、それは、公明党・創価学会との伝統的な友好関係に配慮しただけの話で、真に日中関係の好転を狙っているのかどうかは明らかではない。日中関係をどう進展させるかは、全人代が終わってから、じっくりと中国側の動きを見て判断しても遅くはない。

 2月5日夜の緊急記者会見で、小野寺防衛大臣は、中国海軍のフリゲート艦が日本の護衛艦に対して射撃管制用のレーダーを照射したことを発表した。1月30日のことだという。また、1月19日にも、海上自衛隊艦船に搭載されているヘリコプターに、同様のレーダーを照射した疑いが濃いことも明らかにした。

 これは、平時には考えられない、危険で異常な行動である。日本政府が厳重に抗議するのは当然であるが、尖閣諸島を確保するという中国軍部の強力な意志の現れとみることもできよう。引き続き情報の収集に全力をあげると共に、アメリカをはじめとする国際社会の協力を得て、中国の無謀な軍事的冒険を抑止して行くことが肝要である。

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