The Face +制球マスターが明かした「投球術」「ジャパン」 吉見一起(中日ドラゴンズ)無四球、無三振が僕の理想
よしみ・かずき○1984年9月19日、京都府生まれ。182cm、91kg。右投右打。小学2年生で野球を始め、金光大阪高校、トヨタ自動車を経て、'05年、ドラフト希望入団枠で中日入り。プロ通算7年間の成績は70勝27敗11ホールド 〔PHOTO〕濱﨑慎治

取材・文|田尻耕太郎(スポーツライター)

「究極を言えば、130km足らずのストレートでも、狙ったところにすべて投げて、打者を打ち取る。それが僕の理想です」

『すぽると』(フジテレビ系)が現役選手100名に行った「コントロールの良い投手」のアンケートで断然トップ。昨シーズンは19試合に先発して138イニングを投げ、与四球はわずか13。球界最高峰の〝制球力〟を持つ男、それが中日のエース・吉見一起(28)である。だが彼は、筆者が用意した資料を覗き込むと、悔しそうな表情を浮かべるのだ。

「これ、1ケタいけましたよ。状況に応じて止むを得ずに与えたのが3つ。そして、甲子園での阪神戦でしたが、ストライクゾーンで勝負にいった結果の四球が1つ。僕、勝利数とか防御率の数字にはあまり関心がないんです。でも、これ(与四球)だけは気になって仕方ない」

 なおも、こう続ける。

「マーくん(田中将大・楽天)やマエケン(前田健太・広島)みたいな150km級のピッチャーと僕が投げあえば、みんな彼らのほうを凄いと思うでしょう。僕を知らない人は『何やこのピッチャー、全然やん』って。僕は地味で、面白くない投手ですよ(笑)」

 確かに、吉見のストレートの平均球速は約139kmで、特筆すべき数字ではない。それでも最近5年の勝ち星は10→16(最多勝)→12→18(最多勝)→13。計69勝は12球団最多だ。昨季は終盤に右肘の故障(肘頭骨棘骨折)があり規定投球回に届かなかったが、6完投と無四球完投3回はともにリーグ最多だった。