田原総一朗 × 濱田純一(東京大学総長)
「『正解を求める教育』はもう終わりにします」

[左]田原総一朗さん(ジャーナリスト)、[右]濱田純一さん(東京大学総長)

なぜ東大は秋入学を目指すのか

田原: 今日は東京大学総長の濱田純一さんにお話を伺いに、東京大学までやって来ました。東京大学は今、秋入学をはじめとするさまざまな改革に取り組んでいます。早速、浜田さんにお聞きしたいんですが、総長というのは何をする人なんですか?

濱田: 総長は大学のあらゆることについて責任を持つ役職で、人事から財務、大学の教育研究の大きな方針、そういうことについて責任を持っているわけですね。

田原: 前に佐々木毅さんという総長がいらして、僕は佐々木さんとは割に親しかったので、「総長って何をするんですか」と聞いたら「総長になって初めて学生食堂のメニューや値段を知るようになった」と(笑)。そういうことまでやるんですか?

濱田: いや、そこまではやりません(笑)。ただ、私の場合は幸いずっと東大のなかで生きてきましたから、大体どこで何を売っているかとかそういういろいろな雰囲気はわかりますが、やっぱり時々そうやって学内を回ってみないと、最近の学生気質とか、そういうものがわからなくなってしまいます。

田原: 今、東京大学の入学を9月にしようという。今までは春入学で4月だったんですが、秋にするというのはどういう意味があるんですか?

濱田: やはりいちばん大きな理由はグローバル化への対応ということですね。世界の七割の大学が秋入学になっている。そういうところで、たとえばうちの学生が海外の大学に留学するときに、1年行こうということで行っても2年かかって1年留年しちゃうんですね。

田原: 4月に行っても、向こうは秋入学だから、と。

濱田: そういうことなので、もっと行きやすくしようということと同時に、留学生も学期が合えば来やすくなる。

 もう一つ大きな狙いと考えているのは、僕らのグローバル化に対する意識を変えようということですね。春入学というのは世界の七割の大学から見ると違うわけですね。

 そうするとグローバル化といっても、日本のやり方を守りながら、壁を作りながら海外に出て行こうとするという感じがどうしても否めないんです。それで、これを秋入学にすると壁が全部落ちちゃうわけですね。僕らの気持ちとしても海外と同じだ、と。同じ土俵で競争もするし協力もする。そういう思いに初めてなれるんじゃないかと思います。

田原: ということは、東大が秋入学になると、高校中学もそうなるんですか、将来は?

濱田: 私は、高校中学はどうするかというのはまだ考えていないんです。

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