都議選に続き千代田区長選でも惨敗! 民意を得られない「自民党都連のドン」内田茂氏に次の一手はあるか?
内田茂氏の公式ホームページより

 自民党都連には、石原伸晃都連会長をしのぐ実力者がいる。幹事長の内田茂前都議(73)である。前職で身分がないのに、自民党の都連を牛耳る。それが実力者の証であり、「都連のドン」の異名を取る。

 生まれも育ちも千代田区。千代田区議を4期、千代田区選出の都議を5期務めた。千代田区には、永田町(政)と霞が関(官)と丸の内(業)がある。「政官業」の中心に位置する地域の行政を、長年、束ねてきたことが、この人を知られざる実力者にした。

 自民党だけでなく公明党にも太いパイプを有し、議会を操る内田氏には、剛腕の石原慎太郎前都知事も敵わなかった。

 「泣いて馬謖を斬る」

 05年の都議会で、石原氏の「側近中の側近」といわれた浜渦武生副知事が、民主党都議を利用した「やらせ質問」を行ったとして百条委員会が設置され、議会は空転、石原氏はこの言葉を残して「浜渦切り」を行った。

 この時、追及の急先鋒に立ったのが、当時、都議会議長だった内田氏。以降、「石原を屈服させた男」として怖れられ、「都連のドン」の座に磨きがかかった。

石川雅己区長と内田氏との長年の確執

 しかし、都議会では権勢を誇る内田氏が、2月3日投票の千代田区長選で、選挙民から「ノー」を突き付けられた。

 今回の千代田区長選挙は、4万972人の有権者にとって理解しにくい構図だった。

 保守分裂の選挙。前回、自民党と公明党の推薦を受けた石川雅己区長(71)が無所属となり、自公の推薦候補となったのは、副区長として長年、石川氏を支えてきた大山恭司氏(71)だった。

 結果は、投票率42.27%で、石川氏が8287票、大山氏が7023票。石川氏が4選を果たした。「自公」の基礎票が9000票といわれるなか、推薦を受けずに1200票以上の差をつけたのだから、石川氏の圧勝である。

 3期12年務めた石川氏に、失政やスキャンダルがあったという話は聞かない。大山氏出馬の理由は、「議会との関係正常化」だった。なぜ、石川氏と議会がギクシャクし始めたのか。政界関係者が口を揃えるのは、「議会というより、石川さんと内田さんの長年の確執」である。

 もともと東京都の官僚だった石川氏を区長に引っ張ってきたのは内田氏だった。だが、大手町再開発などヤマほどある千代田区内の大型プロジェクトに口を出す内田氏に反発した石川区長は、内田氏を無視するようになったという。「都連のドン」への反乱が、石川区長の議会運営を難しくした。

 内田氏が仕掛けた遺恨試合だが、この強引さは都知事選でも見られた。

 都知事選では猪瀬直樹都知事は、「石原後継」を受け、430万票あまりを獲得して圧勝したが、スンナリと後継が決まったわけではなかった。理由は、自民党都連の反対である。

 「猪瀬副知事は議会運営を軽視している」

 これが都連の言い分だ。千代田区の理屈と同じである。「都連のドン」の内田氏を軽視しているということであり、自民党本部が猪瀬支持を決めているに、都連は小池百合子、東国原英夫など、独自候補にこだわった。

 最後は、猪瀬支持で一本化するが、都連が積極的な選挙応援をしたわけではない。西新宿の猪瀬選対本部に詰めていたのは、兵藤茂、高井英樹、半田修次、鈴木重雄ら「石原秘書軍団だった。

 鼻っ柱の強い猪瀬氏からすれば、そんな内田氏は煙たくて仕方がないだろう。しかし、実力者ゆえに表立った排除もできない。今回、"本音"では石川区長を支援したかったが、旗幟鮮明というわけにはいかなかった。

 ただ、1月27日の公示日、石原伸晃都連会長など大物が、大山候補の事務所に駆け付けたのに、特別秘書に就任した鈴木氏が、石川候補の選挙事務所を訪れたところに、猪瀬氏の"意向"がうかがえる。

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