佐藤優 インテリジェンス・レポート
「イスラエルによるシリア空爆はアサド政権に対するシグナルである」

佐藤優直伝「インテリジェンスの教室」号外より(2013年2月5日配信)
【編集部より】
イスラエル軍によるシリア空爆という情報を受けて、佐藤優さんより「至急原稿」が届きましたので、<号外>として配信いたします。今回の号外では、「読書ノート」もあわせて配信いたします。なお、次回通常号の配信は2月13日(水曜)です。

【目次】
―第1部― インテリジェンス・レポート
 ■分析メモ(No.14) 「イスラエルによるシリア空爆」
―第2部― 読書ノート
 ■冷泉彰彦「日本の立ち位置が不透明 『価値観』共有に不安も」

―第1部― インテリジェンス・レポート
分析メモ(No.14) 「イスラエルによるシリア空爆」

〔PHOTO〕gettyimages

【事実関係】
1月30日未明、イスラエル空軍機がシリアの首都ダマスカス郊外を空爆した。

【コメント】
本件に関し、イスラエル政府は沈黙しているが、空爆が行われたのは事実である。筆者が複数の信頼できる情報筋から得た情報を総合的に評価したところ、以下の通り。

1.
シリアのアサド大統領は、内戦に勝利することはできないという認識を固め、シリア西北部のアラウィー派が拠点とする山岳地帯に拠点を移動することにした。既に武器の移転が始まっている(※註:アラウィー派は、イスラーム教シーア派の少数分派で、シリア西北部の山岳地帯を中心に、レバノン北部、トルコ南東部に散在する。教義にはキリスト教や山岳の土着信仰の影響が見られ、アラウィー派をイスラーム教の分派ではない独自宗教と見る専門家もいる。バッシャール・アサド大統領をはじめ、シリアのエリート層はアラウィー派によって占められている。シリアの人口に占めるアラウィー派は1割強)。・・・(略)

3.―(1)
イスラエルが空爆を行ったのは、アサド政権に対するシグナルである。その内容は、「アサド政権が、ヒズボラに2.に記した3種類の兵器を引き渡すことを試みるならば、イスラエルは実力でこれを阻止する」というものである。

3.―(2)
2月2日、イスラエル政府系テレビが放映したイスラエルによる空爆の映像は、地対空ミサイルSA-17の施設である(一部で報じられている化学兵器関連施設ではない)

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