ハーバードビジネススクールのケースの主人公になった!【その1】
日本の政治家の物語がなぜ米名門校の教材に?

アベノミクスの前途を予測するため、にわかに注目を集める

 ついに私は、ハーバードビジネススクール(HBS)のケースの主人公になった。ケースのタイトルは「皮のスーツを着た政治家と日本の資本主義の逆説」と少し衝撃的(?)である。日本の政治家がHBSのケースの主人公になるのは、これが初めてのことだという。

 このケースには、私が第一次安倍政権下で内閣府大臣政務官を務めたとき、日本の金融市場のグローバル化を目指し、それに挫折した経緯が書かれている。かつて世界を席巻した日本経済がなぜグローバル化に苦悶しているのかを学ぶためのケースであり、今、ハーバードで高い関心を集め始めている。

 なぜかというと、第二次安倍政権が誕生し、アベノミクスが実施されようとしているからである。その前途を予測する上で大きな注目を集めているこのケースが、いよいよ4月23日、HBSで使われることになる。

 この授業を仕切るのは、レベッカ・ヘンダーソン教授。ハーバード大学で経済学部とビジネススクールの双方に籍を置く才媛で、過去にはHBSで最優秀教員賞を数回受賞しており、ケース討論の熟練者でもあるという。

「ビジネスの士官学校」と言われるHBSにおいて、講義の大半は、こういったケースに関する討議である。それはHBSの目的が「あらゆる分野におけるリーダーを輩出する」ことにあるからだ。

 最高のリーダーシップ教育は「疑似体験」である。過去のリーダーが陥ったのと同じ難局を学生に疑似体験させ、自分なりの意思決定をさせる。こういった難局は通常、いかなるリーダーでも人生で数回経験できるかどうかといったレベルの代物だが、HBSではこれを学生に年間500回、2年間で1000回近くやらせる。

 これだけ疑似リーダー経験をたっぷりさせれば、卒業後、何かの試練に会うたびに「これは昔、HBSで討議した○○のケースの事例に近いな。とすると、ああいう解決策があったな……」と思い出すことができる。

 もちろん、現実はケース討議のようには進まないが、それでも疑似体験をしていた方がいくらか有利であろう。その種の問題を長年扱っている教授や世界中から集まった猛者と議論した経験は、本人にとって貴重な血となり肉となるに違いない。

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