サッカー
二宮寿朗「ACLを奪還せよ!」

 アジアチャンピオンズリーグ(ACL)タイトルの奪還へ――。
 2013年、日本サッカー協会(以下JFA)とJリーグはACLに出場するクラブに対するサポートの強化に乗り出した。

JFAとJリーグの本気度

 今年出場するのはリーグ優勝したサンフレッチェ広島、2位ベガルタ仙台、3位浦和レッズ、そして天皇杯を制した柏レイソル。この4クラブに対し、JFAとJリーグはまず財政面でアウェー遠征の渡航費に対する支援を決定した。昨年までの財政支援(渡航費の全額負担)は準々決勝以降にとどまっていたが、今年はグループリーグ(以下GL)から決勝トーナメント1回戦までJリーグがその80%を負担することになった。準々決勝以降は50%となるが、それとは別枠でJFAが強化費として勝ち上がるたびにボーナスを支払うという。クラブ側にかかる財政面の負担を軽減することで、資金を別の部分に回せるようにしたのだ。さらに言えば、賞金を含めて勝てば獲得できる収益を増やすことでクラブのモチベーションを上げる狙いもあるようだ。

 この財政面もさることながら、もうひとつ大きい変化がスカウティング面のサポートだ。内容はJFAの技術委員会がACLのゲームを分析をし、その結果をクラブ側に伝えるというもの。たとえばGLで日本のあるクラブと対戦したAというチームが決勝トーナメントで日本の別のクラブと対戦することになった場合、JFAがAチームの情報を対戦するクラブに提供するのだ。

 これまでは情報の共有という部分において十分ではなかったが、今後はJFAのスカウティングの力を借りながら、4クラブがタッグを組んで情報を有効利用する形となる。また運営面でも両団体からスタッフをアウェーゲームに派遣する方針だ。こういったサポート態勢を眺めてみると、JFAとJリーグの本気度がうかがえる。Jリーグの中西大介競技・事業統括本部長は「厳しい戦いを勝ち抜くことは、代表チームにも還元される」とJFAがサポートに加わる意義をこう強調した。

 ここ数年、日本勢はACLでは厳しい戦いを強いられている。2007年に浦和レッズが、08年にガンバ大阪が優勝して日本勢の連覇となったが、これ以降は低迷が続いている。昨年も柏、名古屋グランパス、FC東京の3チームがGLを突破しながら、決勝トーナメント1回戦ですべて敗れてしまった。またここ2年はクラブW杯が日本で開催され、ACLを制しなくともJリーグで優勝すれば開催国枠で出場できた。過密日程もあって、「ACLに出場するチームはJリーグで優勝できない」というのが近年の常識である。実力だけでなくACLに対するモチベーションという意味でも、他国のチームより上回っていたとは言い難い。

 しかし、今年はいろいろと状況が変わっている。まず決勝トーナメント1回戦がこれまでのGL1位通過チームのホーム開催による一発勝負ではなくなり、ホーム&アウェーとなった(昨年、日本勢はすべてアウェーでの戦いで敗れた)。決勝戦も同様にホーム&アウェーとなる。また、今年のクラブW杯も日本ではなく、モロッコでの開催が決まっているため、ACLを制しなければ出場権を得ることはできない。ACLに対するプライオリティーは必然的に高くなるはずである。