女子アナだけではなく、年齢を重ねるごとに深みが加わる男性キャスターも、テレビには欠かせない存在だ!

 「女子アナ評論家」「女子アナウォッチャー」という職業が生まれたのは1990年代だった。

 1980年代中盤から、山村美智さん(56)らフジテレビの「ひょうきんアナ」たちが、タレントばりの人気を博すようになり、その後、民放各局が競ってルックスやキャラクターを重んじた採用を行うようになったため、評論家たちの出番と相成った。

 片や男性アナウンサーやキャスターを論じる専門家は聞かない。みのもんた氏(68)や古舘伊知郎氏(58)といった著名人以外、語られることはあまりない。

 そこで今回は、小説も書く異色キャスターのことを取り上げる。ニュースの伝え手は、どんな人物なのか?

小説家デビュー作は白石一文氏も絶賛の出来

 「報道記者志望で入社しましたから、30歳で初めてキャスター役をやらされたときは、カチカチに緊張しましたよ」

 そう語るのはTBS報道局解説委員の松原耕二氏(52)。2010年3月から2年間、『ニュース23X』のメーンキャスターを務めた。キャスター初挑戦は30歳のときで、早朝番組の『JNNニュースコール』(1993年に終了)。現在は金曜日の『ひるおび!』『Nスタ』にコメンテーターとして登場するほか、不定期で『朝ズバッ!』にも出演している。

 2011年10月にはコソボなどの紛争地域を舞台にした恋愛小説『ここを出ろ、そして生きろ!』(新潮社)で小説家デビュー。作家の白石一文氏が絶賛したことでも話題になった。

 それにしても映像の人が、なぜ小説を書き始めたのだろう。書く時間をつくるだけでも大変だったはずだ。

 「人間を描きたいという思いがありますし、さまざまな自分の思いを伝えたいという考えもある。そもそも、この2点が僕が報道マンになった原点。伝え方を映像とか活字とかに区別する必要はないと思うんですよ」(松原氏)

 どんなに疲れていても、毎日欠かさず、出勤前に400字詰め原稿用紙に4~6枚を書いたという。

 「欧米では映像、活字という境界線を超えて活動している人が多くいます。また、フィクション、ノンフィクションという垣根を設けずに書いている人も珍しくありません」(同)

 2004年から4年間、ニューヨーク支局長を務めた松原氏にとっても、映像と活字のクロスオーバーは自然なことらしい。

 早大時代には映画サークルにいた。昨夏公開された『桐島、部活やめるってよ』の吉田大八監督は一緒に活動した後輩の1人。なるほど、映画監督はシナリオを書くのも仕事のうちだから、テレビの映像人が小説を書いても不思議なことではないのだろう。

この続きは、プレミアム会員になるとご覧いただけます。
現代ビジネスプレミアム会員になれば、
過去の記事がすべて読み放題!
無料1ヶ月お試しキャンペーン実施中
すでに会員の方はこちら