企業・経営
ボーイング787、トラブルの原因解明は長期化の様相!? 「夢の飛行機」に待ち構えていた思わぬ落とし穴
〔PHOTO〕gettyimages

 電気系統からの発煙トラブルを起こしたボーイング787型機に対する日米航空当局の原因調査が難航している模様だ。本コラム掲載の29日まで継続すると、同型機の運航停止日数が12日を数えることになる。

 全日空(ANA)と日本航空(JAL)の日本勢2社は、ある程度の初期トラブルは覚悟して、新しい技術が満載の「夢の飛行機」を、あえて世界に先駆けて導入する戦略を採った経緯があるだけに、予想外の大きなトラブルにがっくり肩を落としている。

 現段階では、製造過程で単純な配線ミスがあった疑いなども払しょくされておらず、発火した日本製のリチウムイオンバッテリーがトラブルの原因かどうかはわからない。しかし、そうした原因と関係なく、ボーイング社の787型機の出荷停止が長引けば、部品の納入が遅れ、販路開拓に注力してきた日本のモノづくり企業がダメージを受ける恐れもある。

 多くの関係者がトラブルの原因を少しでも早く解明してほしいと切実な思いで当局の調査を見守っている。

がっくり肩を落とすANA・JAL関係者

 株価を見る限り、今年に入ってからの787型機のトラブルで、ANAとJALが昨年秋に付けた昨年来安値を割り込むような事態は起きておらず、株式市場は事態を冷静に受け止めているようだ。ANAの場合、年初来安値は今月21日の176円で、昨年10月の安値より22円高という状態だ。JALも同じく年初来安値が3550円と昨年9月の安値より340円高の水準を保っている。

 しかし、両社関係者の落ち込みようは気の毒なほど。787型機の保有数が17基と世界一多いANAの関係者は、「あえて最新鋭機をライバル各社に先駆けて導入することで、ブランドイメージと集客力を高めたいとの判断があった。実際、大口客の獲得など一定の成果をあげていたのに、これほど大きなトラブルが起きるとは予想外もいいところ。危ない飛行機を導入したとの誤解を受けかねない」とがっくり肩を落としていた。

 ANAは連日20~30便前後の欠航が避けられない状態が続いており、利用者の足に大きな影響を与えているうえ、長引けば、収益への影響も避けられないだけに頭を抱えるのも無理はない。

 一方のJALは、787型機の保有機数が7機とANAより少なく、国内便への影響も比較的軽微だ。欠航したANA便の代わりに、JAL便を使う利用者も多い。それだけに、両社以外の航空関係者からは、「むしろ、喜んでいるのではないか」と見られがちだ。

 しかし、当のJALでは「とんでもありません。当社は低燃費で航続距離が長い787型機の特色をフル活用して、他の航空会社が手を出せない成田―ボストン便などを開拓して、ドル箱路線に育てようと計画していたのにすっかりアテが外れてしまった。とても喜べるような状況にありません」と神経を尖らせている。

この続きは、プレミアム会員になるとご覧いただけます。
現代ビジネスプレミアム会員になれば、
過去の記事がすべて読み放題!
無料1ヶ月お試しキャンペーン実施中
すでに会員の方はこちら