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坂井直樹「デザインのたくらみ」
2013年01月30日(水) 坂井 直樹

世界のどこかで生じては弾けている「バブル」のはなし

 年末の衆議院議員総選挙に大勝して発足した第2次安倍内閣は、景気低迷の打開策として、2~3%のインフレターゲットの設定やその目標値達成までの無制限の金融緩和を唱え、円高・デフレ脱却を打ち出した。たしかに政策を発表後は円安傾向が進み、株価は上昇の兆しを見せている。短い「バブル」が再びやってくるかもしれない、という憶測もある。

 バブルというと、世界の歴史においては、オランダの「チューリップ・バブル」(1637年)、イギリスの「南海泡沫事件」(1720年)、スランスの「ミシシッピ計画」(1719年前後)という「ヨーロッパ三大バブル」が有名だ。

 驚くべきことに、これらのバブルでは「チューリップの球根」や「イギリス中のトイレの汲み取りを集めて資源にする会社」「非常に有望であるが誰にも事業内容がわからない会社」等が投資の対象となっている。冷静になって考えれば投資に値するか否かはなはだ疑問であるが、周囲の人間が儲かっているのを見て、つい「自分も・・・」と手を出してしまうのがバブル経済下の人々の心理なのであろう。

 多くの方が実体験としてご存知のように、日本にも、バブル景気と呼ばれる狂乱の時代が存在した※正確には1986年12月から1991年2月までの51ヵ月間。たしかにこの時期はお金が湯水のごとく使われた。僕に依頼されたプロジェクトもまたしかりで、企業にも個人にも有り余るお金をとにかく使おうという雰囲気が蔓延していた。

 結果として、今では考えられない巨費を投じたプロジェクトも実現できたし、世界中でリッチな買い物をすることもできた。しかしその一方で、自分の仕事を正当な価格で評価されたい、という冷静な思いを持っていたのも事実だ。

若い世代はバブルのエネルギーを肌で感じてみてほしい

 内容も規模もさまざまだが、こうしたバブル経済は近代に入って発生の頻度を高めているように思える。日本ではバブルといえば真っ先に土地や株が投資の対象として思い浮かぶが、世界では僕たちが気づかないうちに食事や住宅、アートやデザインの分野にも、バブル現象は生じている。

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