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あの国は本気だ! 2013年「中日開戦」中国人エリート50人の証言

 安倍首相は東南アジア「中国包囲網の旅」から帰ったが、「いまそこにある尖閣危機」は日増しにヒートアップしている。そんな中、中国のエリート50人に緊急インタビューし、中国人のホンネを聞いた。

戦う覚悟を決めている

「召集を受けたらすぐに集まれ、集まったらすぐに戦え、そして戦ったら必ず勝て!」(毛沢東語録をもじって習近平中央軍事委主席が海軍に向けて語った講話)

「2013年は戦争に対する思想をしっかりさせ、戦争に備えよ」(1月14日付人民解放軍機関紙『解放軍報』)

「中国が5点誤らねば、わが軍の参戦で日米は徹底的に惨敗するであろう」(1月16日付『中国軍事網』)

 年が改まってから、中国では「対日開戦」が主要メディアに登場しない日はない。テレビに人民解放軍関係者が登場しては、強硬論をブッている。

 そんな中、本誌は中国のエリート層50人に、1月12~16日にかけて緊急調査を行った。対象は、20代から80代までの中国人男女で、居住地も北は大連、北京から、南は広州、深圳まで中国全土に及んだ。

 質問は「2013年の日中開戦の可能性」と、「日中関係に対して日本側に望むこと」である。

 その結果が、最終ページからの表だ。日本との開戦の可能性に対する質問では、「戦争にはならない」と言い切ったのは、全体のちょうど半数の25人だった。つまり残りの半数は、2013年の日中開戦を、ある程度、覚悟しているというわけだ。同じ調査を日本で行ったら、もっと楽観的な回答となるに違いないが、それだけ中国は臨戦態勢に入りつつある証左と言える。

 今回の調査には、中国で噦知日派器として知られる知識人も含まれているが、彼らの意見も割れた。

 まず、噦悲観論器を述べるのは、長年にわたって新華社通信東京特派員を務め、中国で最も著名な日本専門家の一人である張煥利氏だ。

「安倍晋三首相は7年前に政権を取った時は、首相に就任してわずか13日目に訪中し、小泉時代の中日対立の時代に終止符を打って、『破氷之旅』と言われた。だが今回は、就任後も連日、中国に対して強硬な発言を繰り返したあげく、『中国包囲網』を敷くために、ベトナム、タイ、インドネシアを歴訪した。これは中国にとってはショックな出来事だ」

 張氏によれば、安倍首相の強硬姿勢のため、尖閣諸島はまさに、一触即発の状態だという。

「日本の自衛隊が、中国側の監視船や航空機に威嚇発砲したら、そして万一、中国側に死者が出たら、間違いなくわが国は開戦に踏み切るだろう。

 だから安倍首相には、第一に強硬な発言を、切に慎んでほしい。第二に中国側に、真摯な対話のシグナルを送ってほしい。そもそも日本が昨年9月に、釣魚島を噦国有化器したことが争いの発端なので、日本側から、元のさやに戻すアクションを起こすべきだ。そうでないと、中国にもメンツがあるので、拳を下ろせない」

 一方、知日派の楽観論者の代表格が、日本経済研究で名高い日本企業研究院の陳言院長だ。

「日本の背後には、唯一の超大国であるアメリカが控えている。経済力で言えば、中国は世界第2位だが、対するアメリカは1位で、日本は3位だ。こうした巨大な存在である日米を相手に開戦するほど、いまの中国の指導者たちは愚かではない」

 その一方で陳院長は、中国メディアに苦言を呈する。

「中国メディアは、日本の素晴らしい平和憲法のことをまったく報じないのに、『産経新聞』の記事の内容は、まるでそれがそのまま日本の世論であるかのように、連日報じている。安倍首相も、戦後70年間近く武力行使を放棄してきた拠り所である日本の平和憲法を、日本製品と同様、もっと中国人に積極的にアピールすべきだ」

 このように安倍首相に対しては、タカ派だとして警戒する一方で、期待感を滲ませる声も多かった。

 中国の最高級経済紙『経済観察報』の著名な編集委員兼国際問題担当コラムニストの丁力氏が語る。

「中国人には、日清戦争以降、日本に侵略された記憶が、まだ生々しい。だから安倍首相の方から、大所高所に立った大人の外交を見せてほしいのだ。

 釣魚島を巡って中日両国がこのままチキンレースを続ければ、両国が共に敗者となり、東アジアに平和は訪れなくなるだろう。同時に日本も、ますます外交と防衛をアメリカに頼りきりになり、独立国家とは言えなくなる」

 中国最大70万部の発行部数を誇るニュース週刊誌『看天下』の李紅平編集長も、同様の意見だ。

「いま何よりも求められているのは、安倍首相の誠意だ。なぜなら、前世紀に日本の侵略を受け続けた中国側から妥協することは難しいからだ。そうでないと、いつ釣魚島で日中衝突が起こるかしれない。このままではどんどん危機は強まっていく」

 だが安倍首相は、このような中国人の期待感とは裏腹に、ベトナム、タイ、インドネシアを歴訪し、「中国包囲網の旅」を敢行したのだった。

 防衛省幹部が語る。

「中国は現在、尖閣諸島海域への侵入のレベルを、戦略的にじわじわと上げてきています。すでに人民解放軍は、尖閣奪還作戦の準備を進めており、この分では3月後半から4月に大きな、噦尖閣危機器を迎えるでしょう」

 中国の一般人の半数もが今年中の戦争を覚悟しているという現実を、日本は知っておくべきであろう。

「週刊現代」2013年2月2日号より

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