賢者の知恵
2013年01月29日(火)

誰もが参加したがる時代
日本をダメにしたB層の研究【第4回】

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第1回はこちらをご覧ください。
第2回はこちらをご覧ください。
第3回はこちらをご覧ください。

 なぜ日本人は「参加」したがり、なんでも口を挟みたがるのか? インターネットのブログや掲示板、SNS、グルメや書籍の口コミサイト、反原発デモ……。隙さえあれば意見を表明したくて仕方がない人々が発生した理由とは?

誰もが参加したがる時代

 裁判員制度は文明を否定する制度です。

 法務省は「裁判員制度が始まると、司法はもっと身近になります」「国民のみなさんが裁判に参加することによって、国民のみなさんの視点、感覚が、裁判の内容に反映されることになります」とホームページで述べています。

 これは司法の民主化であり、法概念の混乱としか思えません。

 司法に民意を導入してはならない理由は、法の根本に正統性の問題があるからです。

 移ろいやすい民意を組み込めば「法の下の平等」「先例拘束の原則」が成り立たなくなる。

 だからこそ司法は、プロ、専門家、職人が扱わなければならない。

 ニーチェが指摘したように、法は「厳重に篩(ふるい)にかけられた巨大な経験」(『反キリスト者』)によって証明されます。

 国家制度は「すなわち、伝統への、権威への、向こう数千年間の責任への、未来にも過去にも無限にわたる世代連鎖の連帯性への意志がなければならないのである」(『偶像の黄昏』)。

 裁判に「民意」を反映させることは歴史を破壊するということです。

 近代に脳幹まで侵された人々が「開かれた裁判」「開かれた行政」「開かれた皇室」などと言い始めていますが、アジの干物じゃあるまいし、なんでもかんでも開けばいいというものではありません。

 開いていいものは言論だけです。

『日本をダメにしたB層の研究』
著者:適菜 収
講談社 / 定価1,365円(税込み)
 
◆ 内容紹介
橋下首相待望論が沸き起こる中、現代日本で起こっているさまざまな「くだらない」現象を読み解くキーワードが「B層」である。著者はすでに「ゲーテの警 告」「ニーチェの警鐘」の二冊の+α新書で、偉大なる哲学者、教養人の言葉を引きながら、近代大衆社会の末路が現在であり、それを象徴しているのが「B 層」の横行であることを指摘し、多くの支持を得ている。「B層」=比較的IQの低い、騙されやすい人間たち、の特徴を細かく解説しながら、多くのB層に支 持された民主党がかくも無様に崩壊した理由、そしてまた懲りもせず橋下徹こそ日本国首相にもっともふさわしいという今日の世論調査の結果に現れるB層の 「勘違い」の害毒を、あらゆるジャンルで分析しながら、あぶりだしていく。
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