B層が行列をつくる店 氾濫するB層鮨屋
日本をダメにしたB層の研究【第1回】

「化学調味料を使っているなんてけしからん」などと、某グルメ漫画みたいなことを言いたいわけではありません。B層の味覚にあわせて、なんでもいいからぶち込んでいくという姿勢が、今の時代を象徴しているのです。

 B層は即物的な快楽に流されます。

 B層向けの飲食ビジネスは、動物としてのヒトのエサをつくることであり、食文化とは関係がない。それで、酢飯に無闇に砂糖やサッカリンをぶちこむのです。

 これは鮨屋に限ったことではありません。

 知人の弁当屋によると、惣菜に砂糖をぶちこむと売り上げが伸びるそうです。だから、焼き肉にもハンバーグにも玉子焼きにもたくさん砂糖を入れる。逆に味を洗練させると売れなくなってしまう。

 知人のラーメン屋は、スープにどっさり砂糖を入れます。チャンポンをつくるときも、たまねぎとキャベツから甘さを引き出すのに手間と時間がかかるので、砂糖を入れる。

 これはB層文化一般に言えることです。

 小説でも映画でも音楽でも、化学調味料と甘味料をぶち込んで、ひたすら甘くする。動物としてのB層に訴えかけるわけです。

 一方、「金持ちB層」を狙った鮨屋もロクなものではありません。

 B層は技能としての鮨ではなくて、愛想を求めてやってきます。そこでは鮨の技術を磨くことより、常連客の顔と名前を覚えることのほうが重要になります。生ビールや吟醸酒、シャンパン、ワインなどを居酒屋並みに揃えることも大切です。

 友人の鮨職人によると、「こうした客は、わさびを醤油に溶いてしまうので、どんなにいいわさびを使っても同じ」とのこと。

 夜七時と夜九時の二部構成にして、予約客が揃ったところで「ヨーイ、スタート!」で始めるようなブロイラー系高級鮨屋も増えました。完全コース制にすることにより、仕入れの無駄を省き、コストパフォーマンスを高めるわけです。

 順番に握っていくので、滞りがあるとツバメの雛状態ですが、コスパが大好きなB層は文句を言うことはありません。

 地元住民が集まる鮨屋が居酒屋化することは、ある意味必然であり、なんの問題もありません。銀座の同伴系の鮨屋がB層サロン化しようが知ったことではありません。

 しかし、問題はきちんとした鮨屋をB層が侵食していることです。

 
◆ 内容紹介
橋下首相待望論が沸き起こる中、現代日本で起こっているさまざまな「くだらない」現象を読み解くキーワードが「B層」である。著者はすでに「ゲーテの警 告」「ニーチェの警鐘」の二冊の+α新書で、偉大なる哲学者、教養人の言葉を引きながら、近代大衆社会の末路が現在であり、それを象徴しているのが「B 層」の横行であることを指摘し、多くの支持を得ている。「B層」=比較的IQの低い、騙されやすい人間たち、の特徴を細かく解説しながら、多くのB層に支 持された民主党がかくも無様に崩壊した理由、そしてまた懲りもせず橋下徹こそ日本国首相にもっともふさわしいという今日の世論調査の結果に現れるB層の 「勘違い」の害毒を、あらゆるジャンルで分析しながら、あぶりだしていく。