政府の審議会・委員会は
所管官庁を事務局から外せ

「脱・官僚」改革へ「山崎私案」を提言

 政府には、審議会、委員会、検討会といった名前がつく、いわゆる有識者の会合が多数ある(以下、すべて「委員会」)。これらの会議は、各種の課題について、専門家を含む識者による客観的な検討を行うことがその目的だ。

 筆者は、会合の参加者がおおむね真剣に会合に参加していることについて、異議を唱えるものではない。しかし、これらの会合は、客観的で十分な議論が行われるためには構造的な欠陥を抱えているように思う。

 筆者は、こうした会合に数多く参加しているわけではない。また、筆者が参加中の会合にあっては、議事の内容を例示して公開できないものもある。

 以下は、多くの政府会合にあって、ほぼ共通だと筆者が思う問題を、一般論の形で述べるものだ。特定の会合の批判を意図するものではないことをお断りしておく。

委員長の人選も事務局主導

 委員会はおおむね以下のような調子で進行する。

 先ず、委員会の事務局(以下所管の官庁も広義の「事務局」に含む)から、個々の委員に対して検討会参加の依頼が行われる。委員は、公募されるのではなく、事務局によって選ばれるのが普通だ。

 学者、実務家、有名人、利害代表者などが、会合の目的によって選任される。有名な方を含めて働き盛りで立場上多忙な方も多いし(これはポイントの一つだろう)、他の委員会の委員をを兼任している方もいる。

 委員の数は委員会によって様々だが、バランスを考慮して関係者を選ぶので、10人以上も委員がいる委員会も珍しくない。

 委員の中で議事を進行する座長ないし委員長(以下、会合の議長役の呼称を「委員長」に統一)の人選はあらかじめ事務局案があって、初回の会合でこれを追認する形で決定されることが多い。

 常識的には、この段階で、個々の委員が事務局から提案された委員長(つまり議長)の選任に意議を唱えることはない。この種の会合に出席する有識者は、おおむね社会的には常識人なのだ。

 委員長は議事の進行を担うので、その役割が重要だ。会議は、事務局の司会で始まり、ほどなく「議事の進行は、○○委員長にお任せします」と宣言されて、委員長の下で議事が進行する。

 但し、委員長も大体は多忙な方であり、議事進行の台本が事務局によって用意されていることが多い。委員長は台本の棒読みに終始することもある。

 委員長の大きな役割は、会合を時間通りに終えることだ。学校、会社など、他に多くの用事を抱える委員が多いので、個々の委員にとっては議論の徹底よりも、時間厳守が重要だし、社会人としてお互いの都合を尊重しなければならないことも常識だ。

 議論の内容については、会合の数日前に、事務局から資料の説明の形で事前説明がある場合が多い。会議資料は、当日いきなり説明を聞いても理解できない内容や分量である場合もある。事務局の「ご説明」のお蔭で、委員は、会合の当日に恥をかかずにすむ。他方、委員としては、事前説明にも時間を取られるという側面もある。

 また、事前説明の際に、事務局の担当者は、委員の意見を聞いて帰るので、本会合の前にある程度の意見集約を行うことが可能だ。ここで意見を言わずに、委員会の席上でいきなり意見を言う手もあるが、議事を混乱させる可能性があるので、普通の人は自分の正直な感想を言うだろう。

 会議の後には議事録が作成され、委員は、議事録のチェックも行う(真面目にやると、手間が掛かる)。詳細な議事録の他に、ホームページなどに掲載する要約版の議事録が作成されることもある。

 委員への謝礼の額は高くない。個々の会合や委員の身分、あるいは会合の時間などによってどのように決定されるのか、正確詳細は知らないが、私の経験では、二、三時間の審議時間に対して、二万円前後(欠けることが多い)の額の謝礼が後日振り込まれる。

 委員会に参加する委員の時間コストを考えると謝礼の額はとても経済的に引き合うものではない。委員が委員会に参加する動機は、推察するに、社会的意議、情報収集、委員就任の名誉のいずれかだろう。

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