ドイツ
アフガニスタンに続く"泥沼"に足を踏み入れたオランド大統領の悪夢
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 フランスのオランド大統領は、取り返しのつかないことを始めてしまったのではないか。

 マリ共和国がドイツのニュースに登場したのは去年の4月、イスラムの過激派が国土の北半分を制覇したというニュースだ。彼らはみるみるうちに勢力範囲を広げ、まもなくマリの北部は過激派グループに分割され、イスラム法に基づく実効支配が始まった。

 最近になり、この勢力が中部の主要都市コンナを占拠し、首都のバマコに迫った。マリ政府には過激派に対抗する力などない。そこで、フランスに援助を要請、急遽フランスが軍事支援に駆け付けることになったというのが、公式の発表だ。ただ1月11日、派兵を発表するオランド大統領を見ながら、私は違和感を禁じ得なかった。

「作戦はそれが必要な間だけ続く」

 オランド首相の人気はここ数ヵ月ガタガタに落ちている。選挙公約は実行に移せないし、失業者は増え、国の経済は快方に向かわないどころか、ますます悪くなっている。実力不足が露呈し、こともあろうに、いわゆる"強い大統領"であったサルコジ前大統領と比較される始末だ。

 内政に問題があるとき、国民の目を外に逸らそうとするのは政治家の常套手段だが、マリ派兵もそれなのか? 電撃戦で勝利をものにし、人気回復を図る? あるいは、ようやく自分が強い大統領であるということを演出できるチャンス? 

 派兵を発表した会見で、「友邦国マリの国軍を支援することが目的。作戦はそれが必要な間だけ続く」と、オランド氏はこれ以上張れないほどに胸を張っていた。しかし、その態度が決然とし、表情が真剣であればあるほど、なぜか不自然に見える。板についていない。いずれにしても、オランド大統領はこうして自国だけで戦争を始めた。そして確かに国民も、それを支持しているようにみえた。