本当に使えるがん保険はどれ? 「がん保険の選び方」
がん保険のカラクリ【第3回】 文/岩瀬大輔

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医療保険とがん保険の違い

 ここまでみてきてようやく、がん保険の使い方について具体的に議論ができる。

 標準的な民間医療保険の給付金は「入院1日あたり1万円(最大60日)、手術1回あたり10万円・20万円・40万円」といった具合である。これはがんを含むあらゆる病気について支払われる。まず確保すべき基本的な保障である。

 これに対してがん保険は、保障の対象をがんに絞り込む代わりに、入院日額を増やしたり、日数を無制限としたり、各種の治療給付金を手厚く保障するものである。

 このようにがん保険において保障を手厚くすることができた理由は、がんの治療が手術・化学療法・放射線療法など標準的なものが定まっており、医師ごとの治療のばらつきが低いこと、発生した後の費用や治療結果についての予測可能性が高いことがある。

 では、よく売れている代表的ながん保険商品を例に、一般的な医療保険との違いに着目しながら、概要をみてみよう。

 保険は事故があったときにお金を受け取る仕組みだ。「どういうときに、いくらお金が支払われるのか」が商品内容の中核をなす。したがって、まずは給付内容を理解することが大切だ。

 まず、はじめてがん(悪性新生物)と診断されたときに、一時金として1‌0‌0万円が支払われる。これは診断給付金と呼ばれ、治療に準備するために広く使えるお金である。医療保険には付いていない、がん保険に独特の給付である。

 次に、がんの治療目的で入院したとき、入院1日あたり1万円の入院給付金が支払われる。入院給付金は医療保険でも払われるので、この部分は上乗せの保障となる。また、医療保険の場合は1回の入院に60日・1‌2‌0日など上限が設けられているが、がん保険については無制限となっている。これは前述したようにがんの治療が標準化しており、超長期で入院するケースが極めて稀(まれ)であることによる。

 
◆ 内容紹介
いざという時、役に立つのか? 複雑すぎて専門家でさえ比較できないというがん保険。本当に2人に1人が罹る病気なのか? 実際にいくら治療費が必要か? 『生命保険のカラクリ』で生保業界のウラを詳らかにした著者が、今回明らかにするのは「医療保険のカラクリ」。正確な知識を持てば、いたずらに不安にから れることなく、自分に合った賢い選択ができると説く。民間の医療保険が抱える問題、公的医療保険との関係についても言及。すべての日本人が知っておくべき 医療保険、がん保険のイロハを教えます。