漠然とイメージして恐れるより調べてみるべし がん治療費の実際
がん保険のカラクリ【第2回】 文/岩瀬大輔

『がん保険のカラクリ』1~34pお試しPDFはこちらをご覧ください。

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がん治療費用は意外とかからない

 では、がんに罹ったとして、治療にはいくらお金がかかるのだろうか。多くの人が具体的な金額をイメージすることなく、漠然と「たくさんお金がかかるのでは」と心配し、それが高い保険加入率に繋がっているのではないか。

 ここに、興味深いデータがある。アフラックが2‌0‌1‌0年に調査した結果である【図表9】。がん経験が無い人に「がん治療全般に関わる費用(入院、食事、交通費等を含む)はどの程度だと思いますか?」、そして経験がある人には「総額いくらぐらいでしたか?」と質問したアンケートの結果である。

 がんを経験した人の69%が「50万円程度」または「1‌0‌0万円程度」と回答しているのに対して、「3‌0‌0万円程度」「3‌0‌0万円より多い」と回答したがん経験者は12%しかいなかった。これに対して、がん未経験者の52%が「3‌0‌0万円程度」ないし「3‌0‌0万円より多い」と回答している。つまり、実際には3人に2人の割合で50万円から1‌0‌0万円程度の出費で済んだにもかかわらず、半数以上の人が3‌0‌0万円以上かかると、心配していることが見て取れる。世の中にがんとお金に関するデータが少ないため、人々が必要以上に心配している可能性があるわけだ。

 もちろん、いざというときの備えを考える上では、平均値は意味がない。いくら大多数の患者が1‌0‌0万円以下で済んだと安心しても、自分が12%の3‌0‌0万円以上に当たってしまっては意味がないからだ。また、本調査はがん生存者を対象としているため、亡くなった患者(概して長期で高額の医療費がかかるケースが多いとも考えられる)についてかかった費用を含んでいないという点に注意が必要である。

 以上のような留意点を考慮してもなお、多くの場合は実際にかかる費用は想像している程には高くないことを知ることには意味があろう。

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 実際の費用はがんの種類や進行ステージ、治療方針、病院などでさまざまである。いくつかの前提条件を置いて、具体的なケースの治療費と患者の自己負担額を見てみよう。

 
◆ 内容紹介
いざという時、役に立つのか? 複雑すぎて専門家でさえ比較できないというがん保険。本当に2人に1人が罹る病気なのか? 実際にいくら治療費が必要か? 『生命保険のカラクリ』で生保業界のウラを詳らかにした著者が、今回明らかにするのは「医療保険のカラクリ」。正確な知識を持てば、いたずらに不安にから れることなく、自分に合った賢い選択ができると説く。民間の医療保険が抱える問題、公的医療保険との関係についても言及。すべての日本人が知っておくべき 医療保険、がん保険のイロハを教えます。