雑誌
あなたの「がん保険」は本当に必要か? 驚くほど充実している公的医療保険制度
『がん保険のカラクリ』【第1回】 文/岩瀬大輔

 複雑すぎて専門家でさえ比較できないというがん保険。本当に2人に1人が罹る病気なのか? 実際にいくら治療費が必要か? 『生命保険のカラクリ』で生保業界のウラを詳らかにした、ライフネット生命の岩瀬大輔さんが、新刊『がん保険のカラクリ』(文春新書)では、がん保険を含む「医療保険のカラクリ」を明らかにし、話題になっています。民間の医療保険が抱える問題、公的医療保険との関係など、すべての日本人が知っておくべき医療保険・がん保険のイロハを説く本書から、「第1章 がん保険とは何か」の抜粋を5回に分けてお届けします。

『がん保険のカラクリ』1~34pお試しPDFはこちらをご覧ください。

誰もが加入している医療保険

 いざがんに罹ったとして、実際にはどれくらいお金がかかるのだろうか? ここで、がん治療にかかる費用を考えていく前提として、国の医療保険の仕組みをおさらいしておこう【図表6】。

 しばしば「私は医療保険にまだ入っていないから不安」という声を聞くが、間違っている。日本人であれば、誰しも公的医療保険に加入しているからだ。大企業の従業員であれば健康保険組合、中小企業であれば協会けんぽ、そして零細企業や自営業者であれば市町村単位で運営される国民健康保険(いわゆる「国保」)に加入している。

 わが国では保険の対象となる標準的な医療行為(保険診療)を受けている限り、医療費の7割はこの公的医療保険によって支払われ、患者は原則3割の自己負担で済む仕組みになっている(70歳以上の高齢者は原則として1割負担。但し、70~74歳の人の負担割合は2割と法律で決まったが、毎年度の予算により1割負担に凍結されている)。

 これに対して、公的医療保険の対象とならない費用については全額自己負担となる。主なものとして、

(1)個室を選んだ場合の入院費用(差額ベッド代と呼ばれる)、
(2)未承認の抗がん剤などを使用した場合の薬代、
(3)「先進医療」と定義された医療技術を用いた手術を行った場合の治療費

がある。

 
◆ 内容紹介
いざという時、役に立つのか? 複雑すぎて専門家でさえ比較できないというがん保険。本当に2人に1人が罹る病気なのか? 実際にいくら治療費が必要か? 『生命保険のカラクリ』で生保業界のウラを詳らかにした著者が、今回明らかにするのは「医療保険のカラクリ」。正確な知識を持てば、いたずらに不安にから れることなく、自分に合った賢い選択ができると説く。民間の医療保険が抱える問題、公的医療保険との関係についても言及。すべての日本人が知っておくべき 医療保険、がん保険のイロハを教えます。