建設業界が大物族議員・佐藤信秋氏のパーティー券を割り当て購入!復活した族議員政治がアベノミクスの足を引っ張る!
〔PHOTO〕gettyimages

 円安・株高をもたらした「アベノミクス」に経済界が浮かれている。

 マクロ経済では日銀の尻を叩いて大胆な金融緩和に踏み切り、ミクロ経済では財政出動による公共工事で手っ取り早いカンフル剤を打つ---。

 借金問題を抜きにすれば、これで景気が上向かないわけはないという"鉄板"の景気浮揚策である。

 安倍首相は、何か特別なことをしたわけではない。

 通貨供給量の調整によって景気をコントロール、数パーセントのインフレに持って行くマクロ経済の「世界標準」と、財政を公共事業にうまくつなげて全国の"地元経済"を活性化させるという自民党が築き上げたミクロ経済の「日本標準」をうまく合体させた。

 ただ、「いいところ取り」という批判は免れない。

 世界標準に沿えば、成長戦略を描いたうえでの創造的破壊が欠かせない。しかし、日本経済再生本部というミクロ経済再生の場が描いた成長戦略は、「産業の再興」「国際展開戦略」「ターゲティングポリシー(有望分野の育成)」と、"言葉遊び"の印象で、切迫感に欠ける。

「政官業癒着の構図」ふたたび

 公共事業で景気を浮揚、そのうえで考えればいいじゃないか---。

 そんな"本音"がうかがえるが、公共事業を軸とする「政官業癒着の構図」が、そこで予算を分捕り、使い果し、新規事業と成長戦略を阻む抵抗勢力となっている事例を、自民党政権下では嫌というほど見せられてきた。

 既に、癒着は復活している。

 自民党本部に、各業界団体や地方自治体の首長が押しかけて陳情、それに政治家が対応、役人を呼びつけて予算化を迫るという風景が蘇った。

 族議員の復活である。

 その象徴のような利権癒着を、『赤旗日曜版』(1月20日付)がスクープした。

 元国土交通事務次官という典型的な建設族である佐藤信秋自民党参院議員のパーティー券を、日本建設業連合会(日経連)を窓口に、建設業界が引き受けたという。日経連、佐藤事務所とも「パーティー券引き受けの事実」は認めているものの、「目標額や割り当て」は否定。だが、同紙はゼネコン幹部の次のようなコメントを紹介している。

 「日経連には、佐藤事務所から1枚2万円のパーティー券を1500枚、計3,000万円分の購入依頼があったと聞いている。それをゼネコン各社に割り当てた。割当額は、大手で150万円、それより下のクラスで100万円だった

 佐藤議員のパーティーは、『「五強」防災立国論』という著書の出版を記念して、昨年11月12日、東京・港区の明治記念館で行われた。ただ、立錐の余地もないパーティーの盛況を支えたのは、日建連加盟の準大手以上のゼネコンだけではない。地方の中堅・中小業者も同じだった。

 私の手元に、宮崎県建設業協会が発行した『会報』(2012年11月号)がある。その3ページ目に、10月11日午後1時半から開催された「第7回常務理事会」の報告がなされており、佐藤議員のパーティー券引き受けについて、こう記されていた。

 「佐藤信秋参院議員のパーティー券について、九州各県が50万円で足並みを揃えることを報告した。本県は各地区協会と建産連加入団体に1万円宛、購入の協力を依頼することが了承された。また、全国の建設業協会会長が、同議員の後援会副会長に就任することが併せて報告された

 まさに、中央だけでなく、全国津々浦々の業者が、元国交省トップの族議員を物心両面で支えることの確認である。

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