学校・教育
授業のネット化で「フリー大学」が実現する! ~どの学校と教授が新時代の覇者になるか
コーセラ(Coursera)のホームページより

スタンフォード大もわからない大学教育のビジネスモデル

 ネットの世界では、どうしても米国の先行が目立つが、米国では、スタンフォードやハーバードなど一流校を含む多くの大学が、無料配信の講義サイトに力を入れ始めている。数年前から、教育熱心な教師が個人単位で授業をネットにアップしようとする動きはあったが、ここに来て、大学自体がオンライン教育に注力しているのだ。

 教師個人の授業のアップについては、大学が有料で顧客(学生)に売っている授業を、ネットを通じて無料で公開することのビジネス上の利害対立がしばしば問題になっていた。しかし、現に、ネット配信という授業の形態が技術的に可能である以上、大学もその利用可能性に、ビジネス上ある程度「賭けて」おく必要があると判断したのだろう。

 「日本経済新聞」(1月21日朝刊)によると、スタンフォード大の2012年秋からの年間授業料は4万1250ドルに達するという。一方、同校が設立したネット教育ベンチャー「コーセラ(Coursera)」は、無料であり、これまでに200ヵ国、230万人以上の登録があるという。コーセラは37大学の213の講義を配信している。

 記事によると、同校は「学生集めやコンテンツ販売が目的ではなく、オンライン教育のあり方を探っている」(広報)と言っているらしいが、これは、つまり、どのようなビジネスモデルがいいのか、スタンフォードでも解を得ていないということなのだろう。

 ビジネス的には、なかなかワクワクする状況といえるのではないか。

 思考実験としては、まず、「フリー大学」の可能性を考えてみるべきだろう。

 現在、大学に必要な「全ての」講義がネット上の動画コンテンツになっているわけではないが、既に多くの授業動画がある。また、無料ないしごく安価でネット上で読める専門論文は、分野によっては、博士号の学力に十分なくらいの数と質で存在する。

 たとえば、ネット上の授業の質を格付けするサービスと、学部学科ごとに修得すべきカリキュラムを提示してくれるサービスとがあって、サービスの修了者に試験を行い、学力に関してお墨付きを与えることができればどうか。それぞれに手間の掛かる仕事なので、完全な無料化は難しいかもしれないが、非常に安価な大学教育サービスが実現する可能性がある。

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