ドクターZは知っている

緊急経済対策のキモを読み間違えるな

2013年01月27日(日) ドクターZ
週刊現代
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〔PHOTO〕gettyimages

 さきごろ安倍政権が発表した緊急経済対策。安倍首相がこれをもって「GDP成長率2%」と「雇用60万人創出」を実現すると謳う壮大なものである。しかし、その中身を見てまず目に付くのは各省の役人がいかに頑張ったか、だ。

 緊急経済対策全体は22ページにまとめられている。そのうち「景気の現状」、「規制改革」「為替市場の安定に資する施策」などに関する考え方が5ページにわたり書かれており、残り17ページが「具体的施策」にあてられている。要するにほとんどがこの「具体的施策」で占められている。

 では、この具体的施策とはなにかと見てみると、「蓄電池制御等実証事業」「スマートマンション導入加速化推進事業」など、各省役人が「成長戦略」の一環として今回の緊急経済対策の中にぶち込んだものばかりなのである。

 もちろん官僚がぶちこんだものだから、省益拡大のための〝意図〟が気になる。経済政策としての効果があれば問題ないのだが、果たしてどうか。

 そもそも、本来の経済対策とはマクロ経済対策が中心となる。ノーベル経済学賞を受賞したマンデル・コロンビア大学教授の理論によれば、変動相場制の国ではマクロ経済対策としてほとんどが金融政策を中心としているという。財政政策は金融緩和をした上であれば効果があるが、単独ではダメ。こうしたマクロ経済対策をしたうえで、やっと出てくるのがミクロ経済対策で、その中身は「規制緩和」「民営化」が中心となる。

 この観点で安倍政権の経済政策を見ると、安倍首相は金融政策を積極的に発言しているため、世界標準。また震災対応・防災の財政出動も行うと断言しているが、それも金融緩和の下で実行するものなのでセオリーに沿っている。このため、安倍政権のマクロ経済対策はすこぶる評判がいい。あの辛口で知られるノーベル賞学者のクルーグマン・プリンストン大学教授でさえ、連日にわたりニューヨーク・タイムズ紙のコラムで気味が悪いくらい褒めている。

次ページ  しかし、である。クルーグマン…
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