参院対策に首相が自ら動いた!安倍政権の「官邸主導」を裏付ける3つの視点
〔PHOTO〕gettyimages

 安倍晋三首相は内心、かなり「官邸主導」を意識しているのではないか。新聞はじめメディアは経産官僚が主要ポストを握った点をとらえて「経産省政権」とレッテルを貼った。しかし、これまでの展開を見ると、実は安倍自身が主導権を握っている部分が目立つ。今回は政治手法をネタにしよう。政権観察には大事なポイントだ。

自ら国会運営の環境整備に動く

 それは、まず国会対策である。安倍は1月11日に突然、大阪に飛んで日本維新の会の橋下徹代表代行(大阪市長)、松井一郎幹事長(大阪府知事)と会談した。

 会談の後、橋下は「野党でなんでも反対、反対はやりません」と語り、政策課題ごとに柔軟に対応する姿勢を示した。松井も「予算の付け方でも産業構造の転換とか、そういう部分も方向性は同じ。国会審議はきちっとやらせてもらう」と語っている。

 この発言から、会談の狙いは国会対策であったと分かる。参院のねじれ状況を念頭に、国会開会前に維新との意思疎通を図ったのだ。

 続いて安倍は13日、私邸に新党改革の荒井広幸幹事長(参院議員)を招いて、約3時間にわたって夕食を共にした。首相との面談要請が列をなしているタイミングで、サシで3時間の夕食懇談とは普通ではない。

 いまは所属政党こそ違え、安倍と荒井の信頼関係は長年にわたる友情に裏打ちされたものだ。荒井は昨年の参院における首班指名選挙で5票を安倍支持でまとめている。これはいま、決定的に重要な意味をもつ。

 なぜなら参院は定数の242から欠員6を引いて、過半数が118だ。これに対して自民党と公明党は合わせて102なので、過半数に16足りない。渡辺喜美のみんなの党が11あるので、これを引くと過半数に足らない数は5。まさに荒井がまとめた5票を加えると過半数に達するのだ。荒井の働きは価千金である。

 安倍は荒井と何を話し合ったのか。荒井は私の電話取材に「私は友情で安倍を支えたい。福島の事情も分かっている。福島原発から38キロの場所で家族と暮らしているのは、私だけです。そういう私にできる仕事もあるかもしれない」と控えめに話した。

 参院の状況を踏まえれば、安倍が荒井の支援を頼りにしているのは想像に難くない。これも国会対策ではある。

 それに、みんなの党。渡辺喜美を第1次安倍政権で公務員制度改革担当相に起用したのは安倍だ。渡辺にとっては初入閣だった。2人はもちろん電話で話せる間柄である。安倍は自ら橋下、荒井、渡辺らと連絡をとりつつ、1月下旬から始まる通常国会に備えて自ら国会運営の環境整備に動いている。

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