日銀失敗の原点!株式・土地の資本市場だけが価格上昇するバブル退治に「金融引き締め」は間違っていた

 安倍晋三首相は1月13日の「NHK討論」で、日本銀行の次期総裁人事について「15日に(首相)官邸に浜田宏一内閣官房参与をはじめとする金融専門家に集まってもらい、どういう人がいいのか考えていきたい」と述べた。

 安倍首相の発言はいい。マクロ経済政策については、変動相場制の国で金融政策が主体になるのは世界の常識だ。財政政策は金融緩和の下でしか有効でない(マンデル=フレミング効果)。

 金融政策については、目標を政府が中央銀行に与えるが、その達成手段を中央銀行に任せるというのが、正確にいえば中央銀行の独立性だ。だから、政府の経済対策では、金融政策の分量は少ない。

 1月11日閣議決定された経済対策では、

「デフレからの早期脱却に向けて、政府と日本銀行の連携を強化する仕組みを構築する。その際、明確な物価目標の下で、日本銀行が積極的な金融緩和を行っていくことを強く期待する。こうした取組に加え、為替市場の動向については、引き続き注視し適切に対応する。」

 としか書かれていない。

成長戦略など「がらくたコーナー」に押し込んでいた小泉政権

 経済対策の多くは、いわゆる「成長戦略」というもので、各省担当者にとっては重要だが、マクロ経済からみれば些細なモノばかりだ。ちなみに、こうした日本型「産業政策」はこれまでの歴史を見ても意味がないものが多い。

 小泉政権では「成長戦略」はなかった。もっともこの種の要求が多かったので、竹中平蔵経済財政相は、「がらくたコーナー」を作り、その中にすべて押し込んでいた。政府が成長分野を見つけられるはずはなく、アメリカではポーク・バレル (pork barrel)と言われ、利益誘導とみなされているものだ。このあたりは別に論じたい。

 本来の経済対策のキモである金融政策部分については、「明確な物価目標」という言葉は新しいが、そのほかは従来通りだ。22日の金融政策決定会合待ちということだ。安倍首相の発言だけが唯一の頼りだ。

なお、経済対策中の「為替市場の動向については、引き続き注視し適切に対応する」は、安倍首相の発言とやや方向が異なる。

 安倍首相は、13日「たかじんのそこまで言って委員会」に出演し、財務省の介入には効果がなく為替差損も被っていると指摘している。この指摘は正しい。金融政策の結果として為替が変化する方が望ましいとしている。それなのに、為替は従来通り介入で対処するという趣旨の表現になっているのは、安倍首相の意図を理解していない。

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