「息子と僕のアスペルガー物語」 ライフ
奥村隆「息子と僕のアスペルガー物語」【第12回】
新学期の初めに、必ず体調が悪化する理由

【第11回】はこちらをご覧ください。

頭痛、発熱、吐き気を繰り返して

 ここ数日、息子は朝、ベッドの中からなかなか出てこない。登校時間が近づいても、頭から布団をかぶってじっとしている。僕が様子を見にいくと、顔もろくに布団から出さず、モゴモゴした声で「今日は身体の調子が悪いんだよぉ・・・」などと訴えてくる。こんなことがしばらく続いているのだ。

 息子の"泣き言"はさまざまだ。「頭が痛いよ」と言うこともあれば、「熱があると思うんだ」とか「寒気がする」と言い出す日もある。今朝は「お腹がむかむかして気持ち悪い。吐くかも」だった。

 しかし僕は、息子のこの種のセリフに一切取り合わない。冷たいようだが、心を鬼にして、相手にしないことに決めている。なぜなら、息子がそう訴える理由を、僕は知っているからだ。

 冬休みが終わり、三学期が始まったこと。ズバリ、それしかない。

 息子は、小学校に入学して以来、同じことをずっと繰り返してきた。夏休みでも、春休みでも、あるいはゴールデンウィークでも、長い休暇の後は、必ず身体が不調だと言い出すのだ。登校前になると、頭が痛くなったり、気分が悪くなったり・・・。

 こう聞くと、「どうせ仮病だろう」と思う人もいるかもしれないが、そうではない。以前、新学年が始まって3日目に「熱があるみたい」と言い出したので、実際に体温を計ってみたら38度を超えていた、というケースもあった。もちろん、誇張していた日もあるかもしれないが、頭痛も寒気も吐き気も、本当に起こっていたと僕は考えている。

 息子の「長い休み明けの体調悪化」は、小学校に入学した頃からずっと続いている。一年生の頃は、「学校でいじめに遭っているのではないか?」と疑い、担任の先生にも相談してみたが、どう調べてもいじめの事実はなかったし、本人もきっぱりと否定した。

 息子は幸い、これまでクラス担任になった先生たちと、相性が悪いということもなかった。付いていけない授業がある訳でもない。ただただ長期休暇明けだけは、学校に行くのがつらく、しんどくてたまらなくなり、同時に、身体の具合も悪化してしまうのだ。