第1回 ハーバード大学1年生廣津留すみれさん
「大分の公立高校で過ごし、高1まで海外に出たことがありませんでした!」

学生:「ハーバード大学に合格しました!滑り止めの東京大学も受かりました!」

先生:「東大よりもハーバード大。2012年に聞いた時はバカな話しだと思っていたが、日本経済が縮小し世界の就職市場に出ないといけない中、本当になったな」

 新聞を見ると、あらゆるところに「グローバル人材」という言葉が躍ります。東京大学の合格発表の胴上げが教育のニュースで取り上げられる時代から、東京大学が9月入学も含めグローバル化にどのように対応すべきか、あるいは海外のトップスクールに行った学生が取り上げられることが多くなりました。

 実際、東京大学自体が憧れ的な存在から、グローバル人材エリートを育成できない日本の大学の象徴になってきているのです。世界の大学ランキングで、東京大学がトップ10にも入っていない(最新のTimes Higher Education-QS World University Rankings 2012-13: Top 400 world universitiesでは27位)ことは、日本の大学の在り方を考えるうえで重要でしょう。

 日本経済の先行きを考え、国の看板が弱まる中、個としての力をこれまで以上に高める必要性に一部の父兄は気が付き始めています。世界ベースで将来やりたいことを考えて大学を選べば、内容の充実している世界のランキング上位学校に行くことが目標となります。冒頭のような会話が日本の進学校で聞かれるようになるのも、あながち的が外れていないかもしれません。東京大学が9月入学を考えているのも、こうした大学内の危機感が後押ししています。

 もちろん、受験において東京大学を目指すのがハーバード大学に変わるだけでは、「大学受験のための学習」という根本的問題が解決するわけではありません。大学という「場」が、学生が何を学び、どの程度個の力が成長するかで評価されるのではなく、卒業したという「名」そのもので評価する仕組みがあるとすれば、それは不幸なことです。

 このコラムでは、毎回世界で評価の高い大学、寄宿生高校(ボーディングスクール)を取り上げ、その学校に通う日本人、卒業生のインタビューを交えながら、世界のトップスクールの実態がどのようになっているかを取り上げていきます。みなさんの目で、日本の教育を客観的にとらえるための一助になれば幸いです。

寄宿舎で切磋琢磨するハーバード大学

 第一回は、誰もが聞いたことはある「ハーバード大学」の実態に迫ります。まず簡単にハーバード大学の歴史を紐解いてみましょう。

 ハーバード大学(Harvard University)は、1636年設立の米国で最も古い歴史を持つ高等教育機関です。昨年2011年に創立375周年を祝いました。また、アイビー・リーグの1校です。アメリカ合衆国北東部のマサチューセッツ州ボストン市郊外、ケンブリッジ市に本部があります。近くにはチャールズ川があり、緑豊かなハーバードヤードと呼ばれる一画を中心とした美しいキャンパスを持ちます。