笹子トンネル天井板崩落で大惨事 高度成長期のインフラ老朽化への懸念が現実に[事故]

2013年01月11日(金) 毎日フォーラム
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 羽田トンネルは、都心と羽田空港を結ぶ1号羽田線にあり64年の開通。全長約300メートルのうち、長さ約20メートルのつり天井部分が上下線に2カ所ずつある。06年の定期点検でも別の金具1カ所の破断が確認されていたが、耐荷重に余裕があるとし補修しなかったという。つり天井は排気に利用されているが、同社は、排ガス規制が進んだため、つり天井がなくても影響がないとして昨年末までに撤去した。

 このように先月、開通から50年を迎えた首都高速道路のトンネルも、老朽化が深刻な影を落としている。首都高速道路の総延長は1都3県で301キロ。そのうちに約1割に当たる約31キロがトンネルという。最も古いのは62年供用開始の都心環状線汐留トンネルで、このほかに築40年以上のトンネルが9本、30年以上が16本ある。

 同社が所管するトンネルを調査したところ、供用開始から30年以上経過すると、延長1キロ当たりの漏水、ひび割れなどの損傷件数が20年以上30年未満のトンネルの2倍以上になることが分かっており、老朽化への対応を迫られている。

 これまでにトンネルの改修は、行われていなかったのだろうか。58年開通の本州と九州を結ぶ関門国道トンネル(全長3461メートル)では、高さ制限を超えたトラックによるつり天井接触事故をきっかけにして調査したところ、つり金具などの腐食や損傷が50カ所見つかり、08年秋から暮れにかけて通行止めにして改修工事を実施していた。

 また、このほど点検状況と整備状況を公開した東北地方整備局によると、管内に福島県や秋田県などにつり天井式トンネルが5本あり、これまでにアンカーボルトの脱落などが見つかった事例もあったが、96年ごろから天井板とつり金具の全取り換えやアンカーボルトの本数を増やすなどの対応を進めているという。

 インフラ整備への関心が高まる中、建設各社で作る「日本建設業連合会」(会長、野村哲也清水建設会長)は近く、「インフラ再生委員会」を新設し、高度経済成長期に集中整備された道路や橋などの維持・更新への対応を検討するという。

 官民が連携して、インフラの「大更新時代」への備えが重要になっている。

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