毎日フォーラム~毎日新聞社

笹子トンネル天井板崩落で大惨事
高度成長期のインフラ老朽化への懸念が現実に[事故]

2013年01月11日(金) 毎日フォーラム
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12月3日午前2時10分に撮影された笹子トンネルの崩落現場=山梨県大月市消防本部提供

 高度経済成長期に建設された道路橋梁や首都高速などの老朽化への懸念が、中央道笹子トンネル(山梨県大月市)の天井板崩落事故で現実のものとなった。定期点検などで打音検査を怠ったことが事故につながったとの見方が強まっており、この事故を契機に全国で実施されたトンネルの緊急点検では、問題箇所が多数見つかっている。補修・改修しながら寿命を延ばして使い続けていかなければならない社会インフラの課題が、改めてクローズアップされている。

 事故は12月2日午前8時3分ごろ発生した。山梨県大月市笹子町の中央自動車道上り線の同トンネル(全長約4・7キロ)の東抗口から約1・7キロ付近で、コンクリート製の天井板が約130メートルにわたり崩落した。車3台が下敷きになるなどして死者9人、負傷者2人を出すという大惨事になった。事故では、トンネル最上部の内壁からつり下げた天井板や隔壁が、アンカーボルト(太さ16ミリ、長さ230ミリ)で接合されている鋼材やつり金具ごと落下したもので、ボルトは内壁に開けた穴に差し込み、樹脂接着剤で固定されていた。原因は確定していないが、樹脂などが劣化して抜け落ち、一部分に集中して荷重がかかったことから、そこから両方向に連鎖してⅤ字形に崩落したとみられている。同トンネルは1977年の開通で、中日本高速道路は00年以来、ハンマーなどでボルトの緩みなどを調べる打音検査をしていなかったことを認めている。

 国土交通省によると、全国のつり天井式トンネルは、中日本や東日本の高速道路会社が管理するものが39本、国管理が9本、都道府県や地方道路公社管理が12本の計60本ある。事故直後の緊急点検は老朽化が予想以上に進んでいる実態を浮き彫りにした。

 笹子トンネル下り線では、目視や打音で点検した結果、天井上部につり金具を固定するアンカーボルトで▽緩み608カ所▽腐食による欠損22カ所▽引っ張ると脱落2カ所――が見つかった。

次ページ  このほか、つり金具に天井板な…
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