ジンクスは「上昇」を示しているが?!東日本大震災前の水準を回復した大発会相場、「11年ぶりの上げ幅」は本物か
東京証券取引所の大発会 〔PHOTO〕gettyimages

 2013年1月4日、日経平均株価が前年末比292円93銭高の1万0688円11銭と、大発会としては11年ぶりになる上げ幅を記録した。終値も、1年10ヵ月ぶりに東日本大震災前の水準を回復した。

 経済紙を見ると、「ヘッジファンドなど投機筋に加え、年金基金など海外の長期投資家の買いも目立つ。一部の政府系ファンドが日本株の持ち高を増やしているとの指摘もある」(5日付、日本経済新聞朝刊)と上昇相場を強気に後押しするかのような見方を伝えている。

 下がるよりは、上がるほうが、より多くの人が幸せになれるとされるのが、株式相場だ。春から縁起が良いと手放しで喜びたいところである。

 だが、バブル経済の崩壊以来、株式相場には痛い目にあってきた人も多いはず。そこで、今回は、この活況相場が持続すると期待できるのか、そのために必要な条件が存在するのか、そういった点を整理しておこう。

意外なほどに的中率の高い相場ジンクス

 まず、初めに指摘しておきたいのが、日本の株式相場の先行きを考えるときに、その年の最初の取引が行われる大発会の相場動向が、1年間の先行きを占うというジンクスがあることだ。

 大発会の日の相場が上がれば、その年は年間を通じて上昇し、逆に下がれば、その年は年間を通して低調に終わる、というのが、そのジンクスだ。

 こんな話を書くと、何をバカなと思われる方もいるかもしれない。今から30年近く前、東京証券取引所の兜記者クラブで証券記者として新聞記者人生をスタートした私も「そんなの迷信だ」と笑い飛ばしたことを、昨日のことのように思い出す。

 だが、このジンクスは意外なほど的中率が高い。直近の10年間を見ても、ジンクス通りに年間の騰落が大発会の日と同じ動きを示した年が8回もあるのだ。具体的に言うと、大発会の日に日経平均株価が上がった2003、2004、2005、2006、2009、2012年の6回は、年間を通じても日経平均株価が上昇した。また、大発会の日に株価が下げた2007年と2008年の2回は、年間でも株価が下落した。

 これに対して、2010年と2012年の2回だけは、ジンクス通りにならなかった。大発会の日には株価が上がったにもかかわらず、年間では下がってしまい、方向性が一致しなかったのだ。

 よくよく考えてみれば、古くから、株式相場は投資家による経済や経営への人気投票だ。日本人ならば、年末年始の間に、1年間の投資戦略を熟考して、練りに練った作戦を大発会で展開する人が多いはず。多くの投資家が強気で買いから入るならば、経済・経営が好調で株式相場が上昇する年になっても、なんの不思議もないのかもしれない。

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