"財政の崖"とドル・円相場---ドルが強含みの展開になる理由
昨年末12月26日のドル・円相場 〔PHOTO〕gettyimages

 昨年来、世界の注目を集めてきた米国の"財政の崖"は、取り敢えず、民主党-共和党間の一時的な合意が形成され最悪の事態は回避された。ただし、財政再建のための支出削減については、僅か2ヵ月間の先送りがなされたに過ぎない。

 3月には再び、民主党-共和党間の折衝が行われることになる。恐らく、両政党とも以前にもまして意地の張り合いを繰り広げることだろう。世界中の人々は、緊迫の政治ショーを目の当たりに見ることが出来るはずだ。

 その政治ショーには、主に二つの副作用がある。一つは、米国の財政再建が遅れることだ。そしてもう一つは、金融市場が不安定になることだ。"財政の崖"のリターンマッチが繰り広げられると、株式市場はイベントリスクを恐れて不安定化することが考えられる。一方、為替市場では、米国金利の上昇予測から、ドル買いが優勢になると考えられる。

3月の"財政の崖"リターンマッチ

 今回先送りされた"財政の崖"の議論は、3月には激しさを増して再開されることだろう。今回、妥協案に賛同した共和党内部では強硬派が一段と先鋭化しており、民主党との折衝の前に共和党内部でもかなり緊迫した展開になることが予想される。

 問題は、そうした政治的に不安定な要素が、金融市場に大きな影響を与えることだ。財政再建案がまとまらないと、民間企業の経営者としても事業リスクを取りにくくなる。そうなると、企業業績の先行きに不透明感が出てくる。すると米国の株式市場全体が不安定な展開になる可能性が高まる。

 米国の株式市場の足取りが怪しくなると、その影響は間違いなく世界の主要株式市場にも波及する。特に、経済低迷が続くユーロッパ市場への影響は懸念されるところだ。わが国をはじめアジア市場へもマイナスの波が及ぶことだろう。

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