麻生氏の外遊中には経済財政諮問会議も開けず。秘書官人事でも党人事でもますます鮮明になった「安麻連立政権」という構造

 昨年末に発足した安倍晋三第2次内閣は、筆者が名付けた「安麻(あんあさ)内閣」の言葉通り、麻生太郎副総理・財務金融相の存在感が際立っている。幾つか、事例を挙げて説明したい。

 安倍首相は年初の1月4日にマクロ経済政策の拠点と位置づける経済財政諮問会議(議長・安倍首相)の第1回会合開催を予定していた。ところが、麻生氏が2日~5日までミャンマーを訪問しているため、開催日を7日に延期せざるを得なかった。

 日本ミャンマー協会(会長・渡辺秀央元衆院議員)最高顧問としての訪緬は12月26日の組閣前から決まっていたことであり、他意はないと麻生氏は説明する。が、同氏不在では経済財政諮問会議が開けないということを政府関係者に知らしめる結果になった。

麻生大臣の秘書官に財務省が異例の人事

 財務省(真砂靖財務事務次官・1978年旧大蔵省入省)は、12月26日付で麻生財務相の秘書官(事務担当)に浅川雅嗣国際局次長(81年)を同局次長兼務で起用することを決めた。大臣秘書官は課長級以下の職員から選ぶのが慣例となっており、異例の人事である。

浅川氏は麻生首相時代の首相秘書官(事務担当)務め、麻生氏の信任が厚いことを考慮したものだ。経済産業省(安達健祐経済産業事務次官・77年旧通産省)が麻生首相時代の首相秘書官(同)だった柳瀬唯夫前経済産業政策局審議官(84年)を安倍首相の首相秘書官として官邸に送り込んだことに倣った人事と言える。

 因みに、経済産業省の官邸での存在感が増している事例として挙げられるのが、前資源エネルギー庁次長から事実上の首相首席秘書官として首相秘書官(政務担当)に転出した今井尚哉氏(82年)である。

 今井氏は第1次安倍内閣時の首相秘書官(事務担当)であり、安倍氏の絶大な信頼を得ている。その今井氏が安倍氏に柳瀬氏を首相秘書官に起用するよう進言した。また、安倍第1次内閣時代の内閣広報官だった長谷川栄一前東京大学客員教授も首相補佐官として官邸入りしたが、同氏もまた中小企業庁長官を務めた経済産業省OB(76年)である。

 柳瀬氏が06年の安倍第1次内閣時代、望月晴文資源エネルギー庁長官(後に経済産業事務次官・73年)の下で原子力政策課長として原子力政策の基本方針である原子力政策大綱を策定した。同氏が首相秘書官に決まった時点で安倍第2次内閣が原子力発電所の再稼働と原発新設を決定することは見えていた。

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