中国
中国共産党が100周年を迎える2021年の東アジア情勢を占う「6つの傾向」

 現代ビジネス読者の皆様、2013年の新年明けましておめでとうございます!

 本年も、中国を中心にアジアを見て参りますので、よろしくお願いいたします。 

 さて、2013年正月の日本のニュースは、年末に出帆した安倍政権がどうなるかとかいった、短期的視野に立ったものばかりだ。これに対して中国の指導者たちが「中南海」で考えているのは、2021年の中国とアジアをどうするかという中期的視野に立った問題である。

 なぜ2021年かと言えば、この年に中国共産党は100周年を迎えるからだ。そして中国はこの年に、「小康社会」(ややゆとりのある社会)の目標のもと、アメリカを抜いて世界最大の経済大国に君臨することを目指している。

 そこで今回は、少し気の早い話だが、中国流にいまから8年後の2021年の東アジアがどうなっているかを占ってみたい。

短期的な革新政権から保守への回帰

 2021年の東アジアを予測するに際して、私が重要視するのは、「6つの傾向」である。

 「6つの傾向」の第一は、東アジア政治の潮流の変化である。第二次世界大戦後の東アジアは、大まかに言えば、長期的保守→短期的革新→保守への回帰、という方向で推移していった。

 東アジアの政治的潮流で先端を行っているのは、台湾と韓国である。なぜならどちらも経済規模は、中国大陸と日本の2割以下なので、アジアの政治的変化をより機敏に先取りする傾向があるからだ。

 台湾では、1949年から国民党の支配が固定化し、それは2000年まで延々半世紀の長きに及んだ。国民党長期政権は金権政治の温床となり、新たに台頭した大量の中間層の反発を招いた。1987年に戒厳令が解除され、90年代に本格的な民主化が進んだ。一人一票の選挙を行えば、少数の富裕層の代表ではなく、大量の貧困層代表がトップに立つのは自明の理だ。

 こうして台湾は2000年に、陳水扁総統率いる民進党の革新時代に転換した。だが、やがて台湾の人々は、民進党政権のあまりの素人政治に辟易し、やはり経済発展が第一と思い直すようになった。一方、野に下った国民党も、党内の世代交代や民主化などで、進化を遂げた。そして2008年、再度の政権交代が起こり、保守・国民党が復権。馬英九総統は2012年1月にも再任され、その任期は2016年までとなった。

 次に、もう一つのアジア政治を先取りする国、韓国を見てみよう。韓国は1948年に李承晩大統領が建国宣言を行い、その後、尹三普善、朴正煕、崔圭夏、全斗焕、盧泰愚、金泳三と、計7代の保守政権が続いた。1993年から1998年の年初まで大統領を務めた金泳三は、もともとは革新野党の指導者だったが、保守与党に寝返った。

 ところが台湾同様、経済発展による大量の中間層の発生と、それに伴う民主化で、革新勢力の時代を迎えた。それが1998年に発足した金大中政権と、2003年に発足した盧武铉政権である。特に盧武铉政権は金大中政権よりさらに革新的で、「敵は北朝鮮でなくアメリカ」と信じる人々だった。

 ところが、韓国も台湾同様、経済が立ち行かなくなり、盧武铉政権の素人政治に国民は苛立った。そこで2008年に、10年ぶりに再度の政権交代が起こり、保守派が復権、李明博政権が誕生した。2013年2月にはその保守の地盤を引き継ぐ朴槿恵政権が発足し、2018年まで続くことが決まっている。

 3番目に、日本を見てみよう。日本も、保守・自民党の長期政権が2009年まで続いた(1993年にごく短期間、自民党は野党となったが、すぐに復権した)。だが台湾や韓国同様、長期政権は腐敗と金権政治の温床となり、国民の反発を受けた。そのため、2009年9月に、清廉潔白な革新勢力の民主党に政権交代した。民主党は鳩山由紀夫、菅直人、野田佳彦と3政権を生んだが、経済・外交・危機管理オンチの素人集団であることが白日のもとにさらされた。

 そこで2012年12月、3年3ヵ月ぶりに保守への政権交代が行われ、安倍晋三政権の発足となったのである。安倍政権がいつまで続くかは不明だが、復権を果たした自民党は衆議院を解散するとは思えないので、衆議院の任期、すなわち2016年の後半までは、少なくとも自民党保守政権が継続するだろう。

 さて、社会主義国家である中国の場合は、少し特殊だが、大枠は同じ流れだ。1949年に毛沢東主席が建国宣言を行い、「共産党保守系」の時代が長く続いた。その後、「共産党革新系」とも言える胡錦濤政権の10年を経て、先の第18回共産党大会で再び「共産党保守系」の習近平体制となった。そして党の章程の定めにより、少なくとも2017年秋までは、現体制が続くことが確定している。

 こうして見てくると、「第1の傾向」である長期的保守→短期的革新→保守という東北アジア政治の潮流を分析することによって、2016年~2018年までの各国・地域の体制は、おおよそ見当がつく。その後は、現政権の成果次第ということになるが、2016年年初に行われる台湾の"総統"選挙が、その後の東北アジア政治の趨勢を占う重要な試金石となるだろう。

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