噴出する中村邦夫相談役、大坪文雄会長に辞任を求める声! 過去の経営判断ミスを認めない限りパナソニックの再生はない

2012年12月26日(水) 井上 久男
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 さらにOBたちの怒りの炎に油を注いだのが、中村氏と、その側近として買収戦略を進めた経営企画担当だった森孝博・元副社長の両人が欠席したことだ。森氏以外にも「中村派」の重鎮だった元役員はほとんど顔を見せなかった。

 中村氏は会社には毎日来ているのに、この「客員会」からは逃げたと思われた。「OBの中には株主もいる。出てきて詫びるのは当然なのに・・・」(同)との指摘も出た。

 そして、パナソニックに近かった一部の証券会社が、パナソニック株を保有している元役員らに対して「お手持ちの株を売って他の株を買いませんか」といったような営業攻勢をかけていることもOBらの不信を招く要因になっている。

特定企業に肩入れするジャーナリストや学者の責任

 筆者はパナソニックが大赤字になったから、「水に落ちた犬は叩け」とばかりに批判しているわけではない。多くのメディアが国内への投資回帰を絶賛し、また大広告主であるが故に批判も抑制してきた中で、筆者は一貫してパナソニックの中村戦略の誤りを指摘してきしてきた自負もある。

 総合情報誌『ファクタ』の2008年3月号では「松下 プラズマ敗色を糊塗」を企画・執筆し、プラズマへの過剰投資がいずれ「アキレス腱」になると書いた。さらに日刊ゲンダイでは今年1月から「パナソニック・ショック」という5回の連載で中村氏の経営責任について言及してきた。その延長戦として、このコラムを書いているつもりである。

 著名なジャーナリストの中には「中村改革」を絶賛し、パナソニックの持ち上げ記事を書いてきた方もいる。その代表格が「報道ステーション」への出演などで有名な財部誠一氏であろう。アカデミックの世界でも長田貴仁・多摩大学客員教授(元神戸大学経営学部准教授、大富敬康というペンネームもある)はパナソニックの経営を褒め称えてきた。この2人を検索して著書を調べれば、すぐに分かることだ。

 パナソニック主催のパーティーで筆者は長田氏から「君が『トヨタはパナソニックを見習え』という記事を書いたら一流の仲間入りだよ」と中村社長(当時)の眼前で言われたことがある。中村氏へのヨイショのつもりだろうが、特定企業に肩入れして本当にこの人は学者なのだろうかと耳を疑ってしまった。

 経営中枢にいた役員OBは「子会社のPHP研究所からパナソニックを絶賛する多くの著書を出版して世間に実態とは違う誤解を与えたという意味で、財部氏の責任も中村氏や大坪氏と同等に重い」と語った。筆者もそう感じる。

 企業には浮き沈みがあるので、どの部分を捉えて書くのかは難しい面がある。ジャーナリストとしては「是々非々」で臨むしかない。

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