視聴者に求められるニュースとは何か!? TBS『Nスタ』で解説を務める杉尾秀哉氏に聞いた

 NHKとテレビ東京を除いた民放各局は、平日の午後4時台から同7時まで、こぞってワイドニュース番組を放送している。類似番組がこれほど横一線に並ぶ時間帯はほかにない。

「見てもらえなければスタッフの士気が下がる」

 「競争は熾烈ですし、番組づくりは難しい」と語るのはTBSの杉尾秀哉氏(55)。TBS『Nスタ』(午後4時53分~)で、月曜日から木曜日までニュースの解説役を務めている。「難しさ」の理由の一つとして、「番組の差をつけにくい」ことを挙げた。

 「今の時代、各局の取材力は大きく違いません。特ダネが取れることもありますが、スクープされてしまうことだってある」

 さらに杉尾氏は「扱うジャンルが幅広い」と難しさの理由を語る。ターニングポイントとなったのは1992年10月の貴花田(現・貴乃花親方)と宮沢りえによる婚約会見だったという。

 「会見は午後6時から。TBSは協議の末、『これも報じるべきニュースだろう』と判断し、中継に踏み切りました。他局も一斉に中継しましたが、TBSは一番早く中継を打ち切ったんです。驚いたのは翌日。分刻みで出る視聴率のデータを見たところ、各局とも会見を中継しているときの視聴率はほぼ横並びなのですが、TBSは中継をやめた途端、数字がガクンと極端に落ちた。最後まで視聴率が高かったのは延々と中継していた局です。衝撃でしたね」

 同じデータを見た他局も芸能情報の破壊力に驚いたことだろう。スタッフ側が見せたいニュースを流すのか、それとも視聴者が見たい情報を伝えるのか---各局の模索が始まった。

 「夕方のニュースはバラエティーやドラマとは違い、それほど高い視聴率を取らなくても番組はなくなりません。だけど、見てもらえなければスタッフの士気が下がる。なるべく多くの人たちに見て欲しいから、頭を悩ませるんです」(同)

この続きは、プレミアム会員になるとご覧いただけます。
現代ビジネスプレミアム会員になれば、
過去の記事がすべて読み放題!
無料1ヶ月お試しキャンペーン実施中
すでに会員の方はこちら