民主党の大敗を教訓に、安倍総理は早く期待値を下げるべきだ!リーダーシップの神髄は“期待値のコントロール"にあり
〔PHOTO〕gettyimages

期待値上げ過ぎた民主党政権

 安倍新総理の最初の役割は、「期待値」のコントロールにあると思う。今回の総選挙で自民党が圧勝したが、投票率の低さや比例の得票率を見ても、自民党への積極的な支持へがあっての自民党の勝利ではなかった。しかし、選挙の結果を受けて自民党への期待値は上がってしまったとみるべきだ。

 国民は少しの失望でも自民党政権を見放しかねない。安倍新総理が長期安定政権を目指すための第一の課題は、上がり過ぎた期待値を下げることだと思う。

「期待値のコントロール」こそがリーダーシップだと思う。自軍の兵力を4分の1にまで減らしてしまった民主党の今回の失敗の本質もこの「期待値のコントロール」の失敗であると思う。政権交代を目指して掲げたマニフェストが国民の期待値を上げ過ぎたのだ。

 いくら「決断できる」とか、「ぶれない」とかいってみても無駄だ。期待値を上回れないリーダーには鉄槌が下る。期待値を上回る自信がなければ期待値は上げてはいけないのだ。

 アップルのスティーブ・ジョブズがその代表だが、常に消費者の期待を上回る商品を出し続けたことこそが人を引き付けた。これがリーダーシップである。常に期待を上回る商品を出し続けたアップルの背景には、冷徹な計算による期待値のコントロールがあったのだと思う。常に期待を上回るのは困難である。裏ではスティーブ・ジョブズは商品やサービスを出し惜しみしながら、人々の期待値をコントロールしていたのだと思う。

 過大な期待を持たれて登場した政権と言えば小泉政権が代表例だろう。2001年4月に読売新聞の調査で87.1%の支持率(最も低かった朝日新聞の調査でも78%)で誕生した小泉政権の最初の選挙は同年7月の参議院選挙だった。

 この選挙で自民党は64議席を獲得し圧勝。比例区ではなんと20議席も獲得した。誕生して3か月で選挙を迎え、小泉氏への期待値の高さが褪せることなく現れた選挙だ。

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