田原総一朗×勝間和代×安藤美冬 「メディア化する個人のジレンマ」 第2回「『元美人』や『元有名人』にならないためには」

【第1回】はこちらをご覧ください。

なぜダイエット企画に出演したのか

田原: どうですか、今の話を聞いて?

安藤: 私は勝間さんの言う「有名人になる五つのステップ」をまさに踏んでいる最中かと。例えば、先ほど話題にのぼった「商品性」では、ソーシャルメディア上においては、自分の売り、才能を「キーワード化」して発信をしています。そしてそのキーワードは複数持つこと。複数掛け合わせていくことでオンリーワン領域、勝間さん式に申し上げれば「ブルーオーシャン」をつくることになります。

田原: じゃあ、安藤さんの売りって何ですか?

安藤: 私は出版社にいましたので、言葉を作ったり、書く、話すということは得意なことの一つです。

田原: 出版社にいたから得意なんてとはないでしょう。出版社なんて大したのがいないんだから(笑)。

安藤: あとは「発信力」ですかね。自分を4つのキーワード、「ノマド」「ソーシャルメディア」「フリーランス」「セルフブランディング」と表現して発信していて、そこから例えばコワーキングスペースに対して働く者の視点でアドバイスをしたり、セルフブランディングに関する連載を持ったりと仕事の幅を広げています。

 あとは、自分のポジションそのものが売りかなと思います。例えば、勝間さんは私より少し年上でいらっしゃいますが、30代前半のビジネス系で、しかもノマドワークスタイルで働く女性というのがあまりライバルのいないブルーオーシャンでした。

勝間: やっぱり共感があるんですよ。その世代の方にとって、女性でも男性でも同世代の方が言ってくださったほうが、やはりずっとわかりやすいので。

田原: 櫻井よし子さんという人がいるでしょう、僕はあの人は見事だと思う。美人で女性でそれで保守の右翼でしょう。ああいう立場をとる人で、美人の女性がいなかった。保守というより右翼ですね。今、美人で女性で右翼って彼女の他にいる?

勝間: いませんね。

田原: だから、あれは自分のポジションの採り方が見事だね。あの人は多分、元々は右翼じゃなかったんだけれども「あっ、このポジションが空いている」と思ってそっちにいったんじゃないかと思うんだよね。

勝間: そう思ってどんどん右翼のほうに入っていった、と。でも、そういうことはあると思うんですよ。それを私は「市場の対話で決めていく」という表現をしていますけれども、私も『情熱大陸』に出ていますが、あの番組に出るまでは自分がテレビのコメンテーターとか、ましてやこういう「よるヒル超会議」に出るなんて思ってもいなかったんですから。だから、市場のほうで勝手に求めてきたものをマッチングしていくような過程になってくると思うんですよ。売買に近いと思っているんですよね。

安藤: 勝間さんのおっしゃるように、自分にあるものを市場に合わせていくという考え方が大事だと思いますね。マーケットがあるかどうかとか時代に合っているかということを、流れを読みながらそこに自分を合わせていく、と。それは言い換えれば、自分にある"売り"、才能を言葉を換えてうまく発信していく技術だと思います。

田原: ちょっと話は飛びますが、勝間さんは安藤さんにとっての先輩ですね。その勝間さんの気に入らないところはどこ? ここは違う、私ならこうはしない、ところは何かある?

勝間: 自分がもし私の立場だったら、戦略的にはここはこうするのにな、ということですね?

安藤: ああ、一つだけあります。『「有名人になる」ということ』を読んで思ったのは、勝間さんはどうしてダイエット企画に出るんだろう、と(笑)。

勝間: おかげさまで痩せました(笑)。

田原: どうして出たの?

勝間: 痩せたかったので(笑)。『金スマ』でダイエット企画を持ち込まれたんですよ。それで知り合いのプロデューサーさんから、「40才前後の小太りの女性を探している」と。それで、「ある程度知名度が高くて小太りで、しかも痩せる企画に参加したら痩せそうな人」というので、「あなたが思い浮かんだんだけど、まずやってくれないよね?」と事務所のほうに依頼がきたんですよ。

 実は、私はやっぱり小太りというのが自分のコンプレックスの一つだったんですよ。でも、仕事だったら痩せるというのがすごくよくわかりました。結局優先順位が違うので、多少小太りでも私はLサイズで標準サイズの範囲内だったので、人生のなかでそんなに痩せることの優先順位が高くなかったんですよ。どうしても変えなきゃいけないわけではなかった。

 ただ、それでもそれがイヤだなとは思っていたんですよ、心のなかで。ところがそれが仕事になると、毎日毎日スタッフに体重と体脂肪を報告して、1週間に1回全部人前で計測されて、それを2ヵ月間全部テレビで追いかけているんですよ。絶対誰でも痩せます。

田原: それでどのくらい痩せました?

勝間: 7キロくらい痩せましたね。ほとんどそれは体脂肪だけで落としたんですよ。だから、すごく快適になりましたね。

田原: それは食事を減らすとか、とくに運動するとか?

勝間: 「ロングブレスダイエット」といって、腹筋運動に近い運動をするんですけれども、姿勢の矯正と腹筋運動と呼吸法を全部兼ねていて、しかも、私は途中で脚を折ってしまったので、食事もずいぶん変えまして。

安藤: それはバイク事故でしたっけ?

勝間: スカッシュで折ってしまったんですよ。それで運動ができなくなってしまったので、今日のお昼も私は自分で作ってきたんですけれども、最近食事は全部自分で作っています。ダイエットというのはすごくおもしろくて、みんな食餌制限するから失敗するんですよ。

田原: これは勝間さんのすごいところだね。何でもやることがおもしろくなって、一生懸命やるのね。またダイエットの本を書くんでしょう?

勝間: ダイエットの本は、今企画が動いています(笑)。※編集部注:その後、光文社新書から『やせる!』として、出版されました。

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