来年は「与野党対決」という政治用語が死語になり、政策課題によって賛成と反対が入れ替わる「クロス連合」が一般化する!
〔PHOTO〕gettyimages

 今回の総選挙で自民、公明両党が合わせて衆院の3分の2(320議席)を超える325議席に達した。そこから選挙直後には、ほとんど反射的に「法案がねじれ状況にある参院で否決されても、衆院で再議決すれば、与党は思い通りの政権運営ができる」という見方が出た。ついでに「そういう政権は怖い」というような感情も。

 数字だけを見れば、その通りだ。だが実際には、安倍晋三政権はそんな強引な手段をできるかぎり避けるだろう。

 政権が発足したばかりで周囲を蹴散らすような国会運営をすれば、必ず批判が出る。そもそも自民、公明、民主の3党間では、2015年度まで特例公債法案を予算案と一緒に成立させる合意ができている。来年7月には参院選を控えている事情も考えれば、まずは安全運転を心がけるとみていい。

公明党とみんなの党がキャスティングボートを握る

 そこで腰を落ち着けて参院の状況を眺めてみると、公明党とみんなの党が鍵を握りそうだ。公明党は与党として政権に加わる一方、みんなの党は野党という立場の違いがある。ところが政策を軸に考えると、実は両党の重要性はどちらもたいして変わらない。

 両党が重要な政策判断の局面でキャスティングボートを握っている。言い換えれば、これまでおなじみの「なんでも賛成の与党」VS「なんでも反対の野党」という単純な対立構図が陳腐化するのだ。

 それは、みんなの党が唱えている「クロス連合」を考えると分かりやすい。この言葉はあまりなじみがないが、ようするに「政策ごとの連携協力」だ。

 たとえば、日銀法改正である。みんなの党はこれまで3回、改正法案を国会に提出してきたが、いずれも通らなかった。今度は自民党も日銀法改正を視野に入れている点を念頭に、渡辺喜美代表は「また国会に法案を提出する。安倍政権へのクリスマスプレゼントだ」と言っている。

 みんなの党の日銀法改正法案要綱(http://www.your-party.jp/file/houan/120410-01a.pdf)をみると、日銀の理念に「物価の安定」とともに「雇用の安定」を加え、物価安定目標を政府が決めて日銀に指示する、とした。さらに日銀の役員が職務上の義務に違反した場合には、内閣または財務大臣が役員を解任できるとした。

この続きは、プレミアム会員になるとご覧いただけます。
現代ビジネスプレミアム会員になれば、
過去の記事がすべて読み放題!
無料1ヶ月お試しキャンペーン実施中
すでに会員の方はこちら