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大反響 日本の大金持ちシリーズ 第13弾
他人には言えない「大金持ちの相続」

週刊現代 プロフィール

「表向きは『経営上の理由』で海外に会社を作りながら、実は相続税対策に利用している企業オーナーも多い」(国税関係者)

 それにしても、相続税を回避するという目的のためだけに5年以上も日本を離れて暮らすことに抵抗はないのか。

 金融業で20億円を超える資産を築いた後、5年前にすべての国内資産を売却してシンガポールに居を移したCさん(64歳)に話を聞いた。

「私がシンガポールに移住した大きな理由は相続税にありますが、それだけではない。こちらでは所得税も法人税も税率が日本より低いから、グローバルにビジネスをする私にとってはメリットが大きかった。何より日本とはくらべものにならないほど教育が充実していたので、7歳になる娘のことを考えても日本に残る理由はひとつもありませんでした」

遺産は誰のものなのか

 Cさんはいま、富裕層が集まる高級住宅地にプール付き邸宅(約300坪)を構える。周囲には1000坪クラスの豪邸がゴロゴロあるという。

「実はこうしたまとまった土地が確保できるのも、相続税がないからなんです。日本の高級住宅街を見てください。お金持ちと言われる人たちが相続のたびに手持ちの土地を切り売りするから、虫食いのようになっているでしょう。相続税がないというのは、土地を失う不安も抱かなくて済むということなんです。

 今では娘は英語と中国語で会話しています。日本語が一番苦手ですが、それはたいした問題じゃありません。60億人を超える世界で日本語を使っている人たちは1億人ほどですから」

 関東地方のある県で不動産業を営んでいたが、50歳で所有不動産をすべて売却、10年前に家族(夫人と子供2人)でオーストラリアのゴールドコーストに移住したDさん(60歳)もこう言う。

「日本ほど税金が高い国はありません。私のビジネスで言うと、不動産を買えば、不動産取得税、登録免許税、賃料収入を得る場合の事業税、さらに固定資産税を払わなければならない。これで払うべき税金は全部払ったと思ったら、死んだときに法外な相続税を取られて、子供には少ししか資産が残せない。そんな国に住みたいと誰が思うでしょうか」

 現在、Dさんはオーストラリアで大学を卒業した息子とともに貿易会社を設立し、日本にオーストラリア製品を輸出している。事業はあくまで息子にやらせて、本人は毎日、好きなゴルフとフィッシングを楽しんでいる。

「息子と娘は日本の学校に行かせたくなかったので、現地に家を買い、中学から現地の学校に入れました。いまは息子が大学を出たので会社を始めましたが、私自身はこちらに持ってきた資産で十分楽に暮らしていけます。世界でこんな素晴らしい気候と風土に恵まれたところはない。もう二度と、日本には戻りたくもありません」