賢者の知恵
2012年12月30日(日) 週刊現代

調査レポート 女性読者の皆様、怒らずに最後まで読んでみてください
男たちの思秋期「まさかあの人が痴漢」には理由があった

週刊現代
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 痴漢は許されざる行為、バレたら人生の破滅---それでも、地位ある人や有名人ですら禁を犯すケースが続発している。そこにはどんな精神的メカニズムがあるのか。キーワードは「思秋期」である。

人生が秋にさしかかる頃

「このトシになるとね、年末がキツいんですよ。クリスマスのイルミネーションとか、幸せそうな若い人たちを見るのが。仕事関係の忘年会も、不景気の時代に楽しい話題があるはずもない。二次会は適当な口実をつけて断って、そのまま家に帰るのも嫌だから、寂しいから、あてもなく街中を彷徨ったりする。

 冬のこの時期は、すべての色合いがモノトーンになってしまうんだ。世間が賑やかであればあるほど、気持ちが沈む。痴漢はしたことないけど、気持ちがささくれて極度の自己中心的な状態になると、お尻を触ることの罪悪感がどれほどのものか、ふとわからなくなることがある。痴漢の話を聞くと、卑劣で最悪な行為だとは思うけど、どこかで仲間意識のようなものも感じてしまうんだ」

 商社に勤務する54歳の男性は、そう本音を漏らす。

 思秋期、という言葉をご存知だろうか。

 元々は作詞家・阿久悠氏が'77年に岩崎宏美に提供した歌の題名で、「青春が終わった後に訪れる切なさ」という意味合いだった。5年後、共同通信記者の斎藤茂男氏が書いた『妻たちの思秋期』がベストセラーとなり、「中年の悲哀」を表す言葉として定着した。

 抗老化医学の専門家で、男の更年期に造詣が深い横山博美医師が語る。

「臨床の現場では、人生を四季になぞらえた場合の折り返し点、つまり秋への入り口の時期を思秋期と呼びます。平均寿命の80~90歳を4分割すると、40代後半から50代前半がそれに当たる。男性の場合は、更年期とほぼ同義で使用されています。

 思秋期の症状としては、一般的に自信喪失、体力と気力の低下、ED、アルコール摂取量の増加や依存、などが挙げられます」

 先日、痴漢で逮捕されたNHKの森本健成アナも、まさにこの世代だ。

 前号の特集「夫の痴漢、許す?許さない?」では想像以上に厳しい妻たちの声を紹介した。「痴漢=即離婚」と断言する女性識者も多かった。

 しかし、冒頭の男性の告白からもわかるように、思秋期の男性の痴漢には、背景に一言では言えない「心の暗部」が横たわっていることがある。

 痴漢で逮捕された50代男性の弁護を担当した、ある弁護士が言う。

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