日・米・欧の先進3極は敗北で署名拒否!? 「ネットの言論規制」に国連下部組織「国際電気通信連合(ITU)」がお墨付きの衝撃

 国連の下部組織「国際電気通信連合(ITU)」は14日、インターネット上の言論の自由の規制を容認する「国際電気通信規則(ITR)」の改正案を採択し、ドバイで12日間にわたって激しい議論が飛び交った国際会議を閉幕した。

 同改正案は、中国、ロシア、アラブ諸国が後押ししたもので、新興国、途上国を中心に89ヵ国が署名した。

 問題の規制強化は、条約と同じ強制力を持つITRの本文部分ではなく付属文書として採択されたものだが、この規定に真っ向から反対して惨敗した形の日、米、欧の3極を中心に55ヵ国が署名を拒否する事態に発展した。

 先進3極が足並みを揃えて民主主義の堅持を掲げて反対しても、国際世論の賛同を得られない時代に突入したショッキングな例として記録されるだけでなく、内乱の続くシリアを始め、中国やロシアでインターネット上の言論規制を正当化する大義名分に使われる懸念も残っている。

 インターネットだけでなく、人類史に残るターニングポイントになる可能性もありそうだ。

あくまでも、精神規定、努力目標ではあるが

 今回のドバイ会合で、最後まで日、米、欧が反対し、署名を拒否する最大の根拠となったのは、ITRの付属文書として盛り込まれた「インターネットのより大きな成長を可能にする環境整備」(原題は、「To foster an enabling environment for the greater growth of the Internet」)という決議。

 興味のある方は、ITUのホームパージに原文が掲載されているので、参照してほしい。

http://www.itu.int/en/wcit-12/Documents/final-acts-wcit-12.pdf

 決議は、ドバイ会議に先立つジュネーブ会議(2003年開催)とチュニス会議(2005年)の議論を通じて、国際社会が「加盟するすべての国家の政府が、国際的なインターネット・ガバナンス、既存のインターネットの安定性、安全性(security)、持続性の確保、未来のインターネットの発展について、等しい役割と責任を負うべきだ」という現状認識を持っているとした。

 そのうえで、加盟各国に対し、「国際的インターネットに関する技術的発展と公共政策問題(public-policy issues)をそれぞれの立場から(解決を)成し遂げる」ことを要請するとした。