企業・経営
ルネサスエレクトロニクスの救済決定で、気になる日の丸半導体の今後
ルネサスエレクトロニクスのHPより

 12月11日、ルネサスエレクトロニクス救済策の概要がまとまった。産業改革機構、トヨタやパナソニックなどの官民共同で、来年9月までに1,500億円が払い込まれ、その後必要に応じて産業改革機構が500億円の融資を実施する計画という。

 今回の救済策によって、当面、ルネサス社は資金繰りの悪化に苦しむことはなくなるものの、問題がすべて解決されたわけではない。しかし、収益性が相対的に高く、しかも世界市場での高いシェアを持つマイコン事業に経営資源を集約しながら、採算の悪いシステムLSI事業の整理などに集中できることになる。

 救済が決まった背景には、同社のマイコン事業の存在がある。特に、車載用のマイコンでは世界シェア約4割。同社が海外企業に買収されることを日本の自動車メーカーが懸念し、それに経済産業省も同調したことが救済へとつながった。

救済策を「延命」に終わらせないために

 ルネサス社は当面、財務懸念から解放されることになる。とは言え、2013年3月期は1,500億円程度の赤字決算が予想される。状況は決して安泰ではない。

 まず同社が着手すべきは、赤字が続くシステムLSI事業を切り離すことだろう。元々得意としていた分野だが、顧客からの厳しい要請に対応する中で収益性が低下している。恐らく、富士通などとの事業統合を目指すことになるだろう。そのうえで、市場シェアが高く相対的に収益性改善が見込めるマイコン分野に経営資源を集中することになると見る。それを、産業改革機構から入る新経営陣が、迅速に改革を進める必要がある。

 また、救済策実施によって、同社製品の需要者(トヨタなど)が株主に入ることになる。仮に、株主からの圧力によってルネサスの製品価格が引き下げられるようなことがあると、収益性は低下する。経営陣は、必要以上の値下げ圧力を跳ね返すことも重要だ。

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