まだ積極的な支持が戻ったわけではない! 山積する内外の課題を考えれば、重苦しい政権奪還である!
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 総選挙は、世論調査の予想通り、自民党が294議席と単独で過半数を獲得し、公明党の31議席と合わせて、自公両党で325議席を確保し、政権交代という結果になった。3年3ヵ月にわたって政権を担ってきた民主党は、その失政を有権者に批判されて、議席を四分の一以下に激減させた。

 まさに、小選挙区制の効果が、凄まじいほどに発揮されたと言ってよい。「民主党には投票したくない。しかし、いわゆる第三極は乱立し、相争っているので、決めようがない。そこで、消去法で自民党」というのが、この結果であろう。

 確かに小選挙区では自民党は圧勝しているが、比例区では支持率は伸びていない。選挙戦の間、各地を巡って、有権者の生の声に接したが、自民党に対する批判を何度も耳にした。積極的な支持が戻って来ているわけではないのである。その点を勘違いすると、来年夏の参議院選挙では、厳しいしっぺ返しを食らうことになるだろう。

来年の参議院選挙こそが天王山

 自民党執行部も、以上のような指摘は十分に理解しているであろうが、年内にも成立する予定の安倍晋三内閣は、山積する内外の課題にどう取り組むのか。実は、衆議院の大勝に酔いしれていられるほど、状況は甘くない。

 政策実現のためには、衆参両院で安定した過半数を維持する必要がある。問題は、参議院である。どの政党も、単独で過半数を持っていないし、自公両党でも過半数に16議席足りない。第一党は、民主党である。

 衆議院で、与党が三分の二の議席を確保すれば、再可決という手で法案を成立させることはできるが、国会同意人事などは動かない。また、三分の二の再可決という方法を乱用するのは政治的に賢明ではない。そこで、参議院でどのような多数派を形成するか、連立の枠組みをどうするかが当面の焦点となる。

 政策ごとに多数派を形成するということは、ねじれ国会の下では、これまでのどの政権も行ってきたことであるし、いわば当然のことである。しかし、それでは不安定要因が残る。自公両党以外の政党も加えて、新しい連立政権を組むという選択肢もあるが、衆議院で圧勝した状況の下で、そのような判断をすることは、党内での強い反発にあうであろう。

 今回の総選挙が政界再編の第一歩だとすれば、来年の参議院選挙こそが天王山である。安倍新内閣が政権運営に失敗し、国民の批判を浴びることになれば、参議院選挙での勝利は覚束ない。そのときに、自民党に対抗する勢力が協力して過半数を制することもありえないことではない。そうなると、ねじれ国会がさらに続いていく。

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