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「資産を増やすより減らさない老後」のつくり方【第3回】

平山賢一(東京海上アセットマネジメント投信チーフストラテジスト)

【第2回】はこちらをご覧ください

株式の長期保有もインフレに負けてしまう

『「増やすより減らさない」老後のつくり方』 著者の平山賢一氏

 今回、『「増やすより減らさない」老後のつくり方』を書こうと思った動機は、実は、ある資産運用勉強会での対話が、あまりにも有意義だったからです。その時の話をベースに、最終回の今回は、ズバリ、減らさない老後のための鉄則の一部をご紹介しましょう。

 わたしは、その勉強会で、日本では馴染みのなかったインフレが、2000年以降の米国で多くの人の資産運用に影響を与えているという事例を紹介しました。

 その事例とは、次のようなものです。

 1999年末に、100ドルで、マクドナルドのビッグマックを買うとすると、何個買うことができたでしょうか?

 当時、ビッグマックは1個2.5ドルだったため、40個買うことができました(100ドル÷2.5ドル=40個)。このとき、ハンバーガーを買わずに株式投資していたら、12年後の2011年末にはどうなっていたでしょうか? 10年超という長期の投資になるから、さぞかし個別株の動きを代表する株価指数(たとえばS&P500株価指数)は上昇したことだろう---と思われたかもしれません。

 しかし、想定とは違って、結果は若干のマイナスでした。もちろん、株式には配当がありますから、配当込みでは、何とか12年間でプラス7パーセントの収益率(リターン)を確保できましたが、それほど芳しいものではありませんでした。ITバブルの崩壊や金融危機の影響が大きかったということでしょう。株価指数に連動する株式ファンドに投資していても、100ドルが107ドルにしかならなかったわけですから(信託報酬などの控除前)。

「増やすより減らさない」老後のつくり方
著者:平山賢一
講談社+α新書 / 定価880円(税込み)

◎内容紹介◎

「増やすこと」ばかりを追い求める投資術は、これからお金を蓄える人のやること。年金生活も視野に入る50、60代の投資のキーワードは「減らさないこと」。とはいえ、減らさないために節約してばかりでは充実した老後も覚束ない。「減らさない」投資、資金運用で「買うチカラ」を維持、拡大していくことが、せっかく築いた金融資産を上手に活用する最善の道。東京海上アセットマネジメント投信の敏腕ファンドマネージャーが説く、デフレ時代の必勝資産運用術!