経済の死角

血液はウソをつかない過去もごまかせない本誌記者10人が受けてみて仰天!「がん遺伝子検査」でここまでわかった

2012年12月27日(木) 週刊現代
週刊現代
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 病気になりたくない。そう思いつつ、つい不摂生をしてしまうのが人間だ。だが、肉体は全て記憶している。がん遺伝子検査で聞こえてきた体の声は、どんな検査よりも早くがんへの警鐘を鳴らしていた。

わずか2・5mlの血液で

 3人に1人ががんにかかり、そのうちの2人に1人はがんで命を落とす「がん死時代」。がんの脅威に対抗すべく「早期発見」が叫ばれて久しい。

「腫瘍マーカーやMRI、CTといった画像検査、血液分析技術は確かに進歩しました。しかし、これらは『早期発見』とはいえ、病気になった結果を見ている検査です。命は助かったとしても、苦しい闘病は避けることができない。しかし、遺伝子医学が進み、これからこんながんになるだろうという未病状態を診断することが可能になりました。それが『がん遺伝子検査』です」(東京大学名誉教授で臨床ゲノム医療学会理事長・渥美和彦博士)

 この検査の仕組みを、愛知医科大学大学院医学研究科教授の福沢嘉孝医師が説明する。

「がんは、遺伝子の病気です。正常な状態では発がんを抑制している『がん関連遺伝子』に異常が起こる(発現する)と、がん細胞がどんどん作られてしまい、『発症』となるのです。遺伝子検査では、このがん関連遺伝子がどれくらい発現しているか、その量を調べます」

 がんは、発症する前から関連遺伝子の発現が始まる。そのため、発現量を見れば、がん発症リスクを早期に発見・予測することができる。

「つまり、現時点で各人の身体が、どれだけがんを発症しやすい環境かを測るということですね。異常がなければ、その時点でのがん発症リスクは低くなりますし、発現量が多ければ多いほど、高まります。

 この検査の画期的な点は、画像診断以前の「未病段階」のがんを見つけることが可能だということです。CTやMRIといった従来の画像診断等の検査では、がんは5mm以上の大きさになっていなければなかなか発見できませんからね」(前出・福沢医師)

 がんには、「がん家系」という言葉があるように遺伝病というイメージが強い。確かにがんは遺伝子の病気だが、親から受け継いだ「遺伝」によるがんは患者全体のわずか5%、残り95%は「環境因子」に原因があるということが近年の研究で明らかになった。東海大学医学部教授の久保明医師が説明する。

「親から受け継いでいる遺伝子は生涯変わらない『体質』のようなものです。一方で、それ以外の、自分のオリジナルの遺伝子は日頃の生活習慣などによって変化を起こします。オリジナルの遺伝子が今どんな状態にあるのかを解析し、そこからがん発症リスクを測るのが、この遺伝子検査なのです」

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