現代新書
「ウェブでの文章、こうすればもっと伝わります」
『ウェブでの<伝わる>文章の書き方』著者・岡本真インタビュー

誰でもウェブで情報発信できる時代、「確実に読んでもらえて伝わる」には、どういう書き方をしたらいいのだろうか? 
 Yahoo! JAPANに10年在籍、「Yahoo!知恵袋」など数々のサービスの企画・設計に関わってきた経験をもとにした『ウェブでの<伝わる>文章の書き方』(12月18日発売)について、著者・岡本真さんに、その極意を聞いた。

「ちょっとしたお知らせを書く」人のための入門書

――この本は、どんな読者に向けて書かれたのでしょうか。

岡本 最近は、自分が担当する仕事について、ちょっとした短い文章をウェブサイトに書く機会がある……、そういう方が増えていますよね。

 たとえば「文章に自信はないんだけど、担当する商品やサービスの変更について、お知らせを書かなければいけない」とか、プライベートでも、所属するサークルのイベントをFacebookなどで告知したい、とか。ウェブを使ったオフィシャルな種類の情報発信の機会が増えています。

 でも、じゃあどう書いたら効果的か、伝わるか、ということをコンパクトにまとめた本はなかなかありませんでした。この本は、そういう方たちに手にとっていただければと思っています。

 ウェブでの文章の読まれ方と、紙媒体での読まれ方は、やはり、大きく違うんですね。その違いがわかれば、文章の伝わり方も変わる、そういう発想からの本です。

――本の帯コピーにも「ウェブにはウェブのルールとコツがある」とありますね。そもそもそういうことを岡本さんが意識するようになったのは、どんなきっかけだったのでしょうか。

岡本 そうですね、紙の本の編集経験を経て、ウェブに関わるようになったということからでしょうか。

 私は、もともとは紙媒体の編集者で、1990年代の後半、大学を出てから、学術系の出版社で2年間、書籍をつくっていました。その後、Yahoo!JAPANに移り、いまの会社(アカデミック・リソース・ガイド=ARG)を3年前に立ち上げるまでの10年間、ウェブのエディターやプロデューサーとして、働いていました。在職期間の後半は、「Yahoo!知恵袋」を世の中に送り出す仕事をしていましたし、それ以外の多くのサービスの立ち上げや運営にも関わりました。

岡本真(おかもと まこと) 1973年生まれ。学術系出版社の編集者などを経て、1999年から10年間、Yahoo!JAPANで、Yahoo!知恵袋などの企画・設計を担当。2009年、アカデミック・リソース・ガイド株式会社を設立、「学問を生かす社会へ」をビジョンに掲げ、各方面での情報・知識・サービスの創出事業を展開している。

 最初のころ担当した仕事で、「Yahoo!カテゴリ」という、利用者が便利なようにサービスを1件ずつ登録した、いわば巨大なリンク集の編集をしていたときのことです。当時は、ウェブではまだ、漢字とかなの書き分けや、用語、送り仮名の統一などのルールがかえりみられていませんでした。

 そこで、通信社や新聞社が発行している、表記のルールブックというか「用語集」をスタッフに配って、表記を統一するようにしました。つまり、紙の編集での基本ルールを、ウェブに持ち込んだんですね。

 ただ、やっていくうちに「ウェブに紙の編集ルールをそのまま持ち込めばいいわけではない」と思うようになりました。

 たとえば、細かいことで言うと、ふだんみなさんはあまり意識されないと思いますが、ウェブでは、紙に印刷された本や雑誌よりも行と行の間がつまっています。そのために視線が次の行にずれていってしまいやすく、読みにくいことが多いんです。

 そこで、1文をどのくらいの長さにするか、ということが大切になってきます。ひとつの文が3行以上にわたらないように、シャープに切ってつなげていく、改行を増やす、そして、いまは普通ですが、段落と段落の間を1行あけて、意味のかたまりをより明確にすると同時に見やすくする、という工夫を、その頃からはじめました。

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