佐々木俊尚「マードックとジョブズが仕掛けたiPad向け電子雑誌はなぜ惨敗したのか」
〔PHOTO〕gettyimages

「インターネットを隔離したことが大きな間違い」

ルパート・マードックとスティーブ・ジョブズが仕掛けた世界初のiPad向け電子雑誌「ザ・デイリー」があっという間に廃刊になってしまった。わずか2年ももたなかったことになる。

この失敗の原因があちこちで分析されている。たとえば以下のギズモードの記事。(世界初のiPad新聞「The Daily」が2年であえなく廃刊...中の人が見た創刊の修羅場

いま、ギズモードで編集者をしているピーター・ハーは、ザ・デイリー創刊時に記者として参加していた。良いスタッフが集まり士気も高かったが、結局iPadだけで配信し記事がソーシャル共有されないというようなアーキテクチャに問題があったのではないか、と考えさせられた。以下、少し引用する。

いくらコンテンツが良くても共有する良い方法がないと宝の持ち腐れなんだよね。The Dailyの体質はまるでトップダウンの新聞のようだった。それも悪くはないのだが、それが通用するのは1日に何回も版を重ねていた数十年前の新聞の話だろう

部数を伸ばして成功する要素はあれだけ揃っていたのに、結局インターネットから隔離したのが大きな間違いだった

またポインターでは、ジェフ・ソーダーマンが失敗の原因として以下の2点を指摘している。

まず第1に、読者層が明確ではなかったこと。ザ・デイリーを読んでいる読者がどのような人たちなのかを把握できなかった。ザ・デイリーは双方向性やビジュアルをうまく導入した良い仕組みを持っていたが、記事に関しては内容が散漫で幅が広すぎて、いったい誰をターゲティングしているのかがよくわからない内容だった。

第2に、iPadという唯一のプラットフォームに依存するだけでは不十分だったということ。「タブレットファースト」というコンセプトなら素晴らしいが、「タブレットオンリー」はちょっと無理なのでは?>・・・(以下略)

メルマガ「現代ビジネスブレイブ」より

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