「脱官僚・地域主権」路線はいまも民意の底流にある!? 自民党が勝利しても、自民・民主の二大政党制に戻るわけではない!
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 選挙情勢は終盤戦に入っても「自民党が単独過半数を獲得する」といった予想が相次いでいる。私も毎週のように週刊誌などから議席予想を質問されたが、こればかりはふたを開けてみるまでは、どうなるか分からない。

 真面目に予想しようと思えば、各種の生データを統計処理する作業が不可欠になる。だが、そんな情報とノウハウは残念ながら持ち合わせていない。議席予想記事を読むと「いったい、どんな生データを基にどう統計処理しているのだろうか」とやや首をかしげたくなる。

 正直に言って、私自身は取材に「ヤマカン」で答えるしかないのだ。注目するのはただひとつ、どの調査でも「未定」とか「支持政党なし」といった回答が半数前後を占めている点である。この無党派層といわれる人々が3割でも5割でも投票所に向かうようだと、事前予想とは大きく異なる結果になる可能性がある。彼らはどう動くのか。

官僚の「ヘトヘト作戦」に屈した民主党

 日本の政治は3年前に自民党から民主党に政権交代した。その時の旗印は「脱官僚・政治主導」と「地域主権」だった。残念ながら「それは失敗した」という理解が多くの人たちに共有されている。だからといって、無党派層と呼ばれる人々は「もう脱官僚しなくていい」とか「地域主権はダメだから中央集権がいい」と思っているだろうか。

 私はそうは思わない。

 たしかに民主党の「脱官僚・地域主権」は失敗した。しかし、それは戦略自体が間違っていたのではない。目標を実現する戦術と手法が、あまりに幼稚で底が浅かったのだ。各省庁の政務3役が目先の政策課題をすべて自前で取り仕切ろうとしたことが典型である。

※最後にアンケートがあります。是非、ご協力ください。

 官僚たちが次々と部屋に運んでくる政策課題に、たった3~5人程度の3役がぜんぶ目を通して判断していこうとした。だから、大臣や副大臣、政務官たちは疲れ切ってしまった。官僚は入れ替わり立ち替わりバトンタッチできるが、大臣たちは交代できない。その結果、睡眠時間を削る羽目になって、あっという間に立ち往生してしまったのである。

 これを私は官僚の「ヘトヘト作戦」と呼んで、著書(『官邸敗北』、2010年、講談社)にも書いたし、テレビ番組で紹介もした。ある番組で同席した政務3役の1人は「私たちがいま役所で経験しているのは、まさにこのヘトヘト作戦です」と正直に打ち明けたものだ。

 官僚にとっては扱いにくい相手をやり込める初歩的な常套手段だが、民主党政治家たちは、まさにこれにやられてしまった。その挙げ句「羮(あつもの)に懲りて膾(なます)を吹く」ように官僚丸投げ政治が復活した。野田佳彦政権の消費税引き上げは、その結果である。

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