ドイツ
地球の将来よりもお金儲けが大事!? 先進国から途上国へ流れる資金援助の争奪戦の場となり果てたCOPに、いったいどんな意味があるというのか

 去年の今頃、ちょうど南アフリカで開催されていたCOP17(国連気候変動枠組み条約第17回締約国会議)について書いたが、今年のカタールのCOP18は、前にもまして絶望的なものだった。194ヵ国が集結して何も決められない。こんなものに莫大なお金を使うのは、もう止めた方がいいのではないか。

 そもそも、今年の終わりで期限切れになる京都議定書(温室効果ガスについて現在存在する唯一の国際協定)をどうするかということは、遅くとも去年の会議で決めるべきだった。それを今年も決めないままお開きにするわけにはいかないと、議長国カタールは思ったのだろう、日程を1日延長して、ようやく12月8日、「ドーハ合意」が採択された。

 議長であるアティーヤ副首相が、トンカチのようなものでポコポコとやけくそになって机をたたきながら発表したのは、先進国だけに温室効果ガスの削減を義務づけた京都議定書を、来年から20年までさらに8年間延長するというもの。それに呼応するように、各国の代表が立ち上がり、やはりやけくそで拍手して、長い不毛な会議はお開きとなった。ただ、この延長に日本は加わっていない。

政治力不足の日本代表団

 鳩山元首相は、09年の就任直後に国連の気候変動首脳会合で、地球温暖化への対応策として「2020年に日本は1990年比でCO2排出量を25%削減する」と世界に向かって宣言し、皆をびっくりさせた。当時でさえこの目標は、その無謀さのゆえ、おそらく緻密なシミュレーションなしで出されたものだろうと囁かれたが、原発が止まっている今、もちろん実現不可能の色は濃い。

 しかし、COPにおいて日本代表は、去年も今年もそのことに言及しなかった。諸外国を相手に、黙っていても分かってもらえるだろうと考えるのは危ない。どんなに日本が困っていても、敵に塩を送ってくれる国などいない。それどころか、この国際公約を修正しないまま実行せずにいると、いずれ攻撃材料として利用されるような気がしてならない。

 日本は今回、京都議定書の延長に加わらなかったが、温室効果ガスの問題をないがしろにしているわけではない。ただ現在、火力発電の増加で排出量を減らせない。そこで代案として、発展途上国に環境技術を提供し、それらの国が削減できた温室効果ガスの排出量を、日本の分として計上できるような制度の普及を目指している。つまり、やむを得ない事情の中、できる事を模索しているわけだ。これが実現できれば、喜ぶ途上国も多いだろう。

 ところが日本のその希望とは裏腹に、「ドーハ合意」では先進国の技術提供によるそのような制度は大きく制限されることになった。日本代表団の政治力不足ではないか。そして、それに追い打ちをかけるように、8日、ドイツの第1テレビARDは、「大きな汚染国、日本、ロシア、カナダが京都議定書の延長に加わらなかった」と非難した。日本はいつから大きな汚染国になったのだろう。

 一方、中国はCOP18の結果に大満足で、代表団の団長は同日、「今大会は『京都議定書』第2段階の約束を明らかにし、先進国が2020年までに排出削減を大幅に実現すると共に、気候変動への投資を拡大することを要求した。中国代表団はこの結果を賞賛する」というコメントを発表した(9日付China Radio International)。

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