政治政策
もし"安倍新首相"が誕生したら「大胆な金融緩和」は実現するのか!? 当面のポイントは選挙結果と日銀総裁人事と財務大臣人事
[左から]池尾和人さん(慶大経済学部教授)、池田信夫さん(経済学者)、筆者

池田氏・池尾氏との対談を振り返って

 先週の月曜日の12月4日、筆者は、ニコニコ動画で『現代ビジネス』主催の対談に参加した。アゴラ研究所代表取締役の池田信夫氏と慶応大学教授の池尾和人氏がお相手で、池田氏が主に司会役を務められた。対談の様子にご興味のある方はアーカイブを観て頂くとして、議論の大筋を筆者の立場から要約すると以下の通りだ。

(1)デフレを脱却し2%程度の「マイルドなインフレ」を実現することができれば好ましいという事に関しては、大きな意見の隔たりはなかった。

(2)日銀が狭義の金融政策の中で出来ることは「まだある」と筆者は考えている。但し、それだけで早期に十分な効果があるとは思っていない。他方、池田・池尾両氏は、狭義の金融政策が「ほとんど効かない」とお考えのようだった。

(3)インフレ率の目標は「1%」を「2%(あるいはそれ以上)」に引き上げることにより、短期金利のほぼゼロがより長引くとの期待を形成するので、効果の大小は分からないが、なにがしかの時間軸効果を持つと考えられる。

(4)金融政策をより効果的にするためには、日銀によるリスク資産の購入、財政出動による需要追加などの政策を併用する必要がありそうだ。選択肢としては、「直接の為替介入は国際関係的に難しく、リスク資産の買い入れは市場を歪める弊害がある、財政出動は財政収支を悪化させるがインフレ率を引き上げる上では効果があるので、減税(消費税率引き上げの見送りを含む)、給付金などの形での財政政策の併用が望ましい」というのが筆者の意見だった。

(5)「日銀の国債買い入れ拡大とセットにした財政赤字の拡大」がインフレ率の引き上げに対して効果があることについては、三者異論無し。

(6)財政の拡大や、リスク資産の購入などは、財政政策の領域に踏み込む政策であり、「金融政策」という言葉で語るべきではないという点について、池尾氏から強いご意見があった。

(7)財政赤字の拡大を伴う金融緩和政策に関しては、「程度を調節しながらやればいい」(筆者)という意見と、「テール・リスク(確率は小さくとも不測の不都合な事態が起こる可能性)があるので、止めたほうがいい」(池尾氏)という意見があった。

(8)インフレ率などの経済政策目標に対しては、政府が国会の承認の下で決定し、日銀総裁ではなく、内閣総理大臣が達成に最終責任を持つのがいいという点で、三者一致した。但し、日銀および日銀総裁をどうコントロールするかについては、必ずしも意見が一致したわけではない。筆者は、日銀総裁は、日本政府を親会社とする子会社の社長のようなものなので、首相が人事権を持つべきだと考える。

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