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大論争女子たちはこう考える「夫の痴漢許す?許さない?」
上野千鶴子 倉田真由美 福島瑞穂 柴門ふみほか

 前号の特集「夫が痴漢で逮捕 妻の決断は?」は女性読者からも反響を呼んだ。今号は、様々な経歴を持つ女性識者の意見を紹介する。男と女、分かったつもりでいても、考え方はこんなに違う。

ああ、男の勘違い

「夫婦で話していて痴漢の話題が出たとき、夫が『痴漢くらい大目に見てやりゃいいのに。(捕まった男は)かわいそうになあ』と私の前で発言したことがあり、『とんでもない!』と真っ向から否定しました。男の人は普通にそういうことを言いますよね。

 もし夫が痴漢したら?いい機会だと思って離婚します。おそらく、夫がまるっきり別の人間に見えてしまうと思うんです」

 そう語るのは漫画家の柴門ふみ氏(55歳)だ。夫の弘兼憲史氏は島耕作シリーズの作者であり、サラリーマン心理に精通している。弘兼氏の「かわいそうに」発言に、同調する男性も多いかもしれない。

 ところが長年連れ添った妻の柴門氏は猛反発する。

「私も大学時代、中央線の満員電車で毎日のように痴漢に遭っていました。触ってくる男性はごく普通の真面目そうなサラリーマンばかり。こっちが睨んでも、とぼけた顔をして視線をそらすだけ。私の身体を無表情で触り続ける男は不気味な生物に見えました。

 私は四国から上京したばかり。彼らはおとなしい田舎の娘を狙っていたんでしょう。女子大の友人に訊くと、美人や痩せた女の子は案外被害に遭っていなかった。私のようにポッチャリで田舎っぽい女の子が狙われていましたね。

 女は、好きな男以外に身体を触られるのが嫌なんです。男は女に触られると嬉しいみたいだけど。銀座のホステスさんはとりあえず男のヒザに手を置き、それだけで男は喜ぶ。一方、女は見ず知らずの男に、肩でも頭でも、たとえ指一本であっても触られたくないんです。相手が好みのタイプだったら?まったく関係ない。イケメンなら嬉しいだろうなんて男性は思ってるようだけど、とんでもない勘違いですよ」

 そして前述のように、もし夫が痴漢をしたら即刻離婚するという。あくまで仮定の話だが、柴門氏の口調からは揺るぎない信念が伝わってくる。

 NHK森本健成アナの逮捕以来、「夫の痴漢を妻は許せるか」を巡って大論争が起きている。本誌が各界の女性識者に意見を訊いたところ、次々にシビアな反応が返ってきた。

 セックス指南書がベストセラーになり、性にオープンなイメージのある産婦人科医の宋美玄氏(36歳)も言う。